一風堂の食中毒について思う
ラーメンで食中毒は珍しい。
福岡市は29日、ラーメン店「博多一風堂」総本店(同市中央区大名1)で24日に食事をした10代の男性客5人と20代の男性従業員1人が下痢や嘔吐(おうと)など食中毒症状を訴えたと発表した。
http://mainichi.jp/select/news/20130830k0000m040124000c.html
理由は、生ものを使わないから。麺にしてもスープにしても具にしても、加熱調理を前提にしている。また、麺やスープは高温でぐらぐら煮立たせて作るわけで、食中毒菌が生き残る余地がない。
それなのに、何故食中毒が起きたか。
市によると、6人は24日午後にラーメンを食べた。6人のうち3人の検体から黄色ブドウ球菌が検出された。
http://mainichi.jp/select/news/20130830k0000m040124000c.html
黄色ブドウ球菌による食中毒というのがポイント。黄色ブドウ球菌の場合、菌それ自体は熱処理で殺菌できるが、菌が生み出した毒素は耐熱性があり、無毒化されない。
詳しくはこちらを。
ただ、細かな理由がどうも判然としない。
3人の便から食中毒の原因となる黄色ブドウ球菌が検出され、同課はラーメン、替え玉、トッピングが原因だったと断定した。
http://www.asahi.com/national/update/0829/SEB201308290051.html
田宮さんか。
「犯人は20代から30代、もしくは40代から50代」
田宮榮一 - Wikipedia
犯人はラーメンか替え玉かトッピング。……全部やん。
24日に店内で食事した客5人と、まかないを食べた従業員1人が下痢や手足のしびれなどの食中毒症状を発症し、1人が入院した。
http://www.asahi.com/national/update/0829/SEB201308290051.html
しかしながら、食中毒の規模を考えるに、一風堂の本店で6人というのは、割合に小規模な感染事例と思われる。例えばラーメンの麺茹で釜であるとか、タレとかスープであるとか、具材経路の感染であるとは思えない。もしそういったものが感染源であれば、もっと深刻な規模になっていたはず。
また替え玉はラーメンと同じように麺を茹でるわけで、これまた疑い対象としては微妙。有力なのはトッピング。紅生姜や高菜、茹でもやしなどのトッピングは小箱に入れて提供するため、その小箱ひとつ分が感染していて、偶然その小箱内のトッピングを利用した人が……と考えると、感染した規模として適当な気がする。
黄色ブドウ球菌は何も珍しい菌ではなくて、人間の皮膚とかにもいる。しかし普通は毒素を出すほどの繁殖はしないものだけども、手や指先に傷口があったり、化膿していたりという要素があると危険度が上がってしまう。
飲食業の人間だと、普段から清潔に気をつかっているし、手洗いなどは当たり前のようにしているけども、手洗いをしすぎるとかえって手の水分は失われ、かさかさになってしまうものだし、そこに熱湯であるとか、お皿を洗う洗剤であるとか、野菜などを消毒する次亜塩素酸ナトリウムであるとかの要素がまじると、余計に手あれにつながっていく。アカギレになってしまえば、それはもう立派な傷口であり、化膿することもある。
手洗いの徹底はだいぶ一般化されてきてはいるものの、意外と保湿の重要性は見落とされているというのが個人的な実感。消毒も手洗いも大事だが、手の衛生にはある程度の水分も必要。手に傷をつくる前に保湿。これを強調しておきたい。
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