本日のオススメ高出力本
後輩が首相公選制でディベートをするというので、最近、首相公選制に関する資料を集めているのだが、久々に高出力な本に出会った。
- 作者: 高橋盛
- 出版社/メーカー: 文芸社
- 発売日: 2001/04
- メディア: 単行本
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国会図書館のNDL-OPACで「首相公選制」で検索したところ、3冊が引っかかったが、あとの2冊は古く、この本だけ2001年刊行と新しい。そこで疑いもなく購入。ところが……ツッコミどころ多すぎ。
薄い
「岩波ブックレットか!」というくらいの本の薄さ。トータル70ページ。これで価格952円+税。活字も大きく、行間広め。……スッカスカ。
著者プロフィール
巻末のプロフィールもシンプルでグレイト。
高橋 盛(たかはし・もり)
1976年(昭51)2月 東京都に生まれる
2001年(平13)3月 東京都立杉並高等学校定時制卒業
……間は? 2行だけ?
目次
2章の構成がステキ。
(目次)
クラクラする。なんというエネルギー。首相公選制とCIAがどう結びつくのか。そしてキリスト教の関連は。あとフリーメーソンさえからめば、陰謀論オールスターズみたいな首相公選制論。めまいがします。
読まずにはいられない
この時点で首相公選制を考えるという観点では十分にNG本であり、「お疲れっした」なわけだが、オモシロ観点ではオーライである。これは熟読せざるを得ない。うならずを得ない箇所続々。
(49・50ページ)
そもそも、キリスト教という宗教はどのようにして生まれたのか。いったい何のためにつくられ、二千年もの歳月をかけて何十億人もの信者を獲得してきたのか。そして、信者をマインド・コントロールする聖書はいったい誰が書いたのか。
誰ですか?
(50ページ)
結論から言うと、それらはすべてアメリカの支配階級である軍部、軍需産業、CIA三グループの仕業なのである。
なんでやねん!
でも筆者は凄い。この疑問をさらりとかわす。
(50ページ)
この話を荒唐無稽を感じる方は多いだろう。どうやって二千年もの時空を行き来したのか。タイムトラベルしたとでもいうのか、そりゃまるでSFだ、と。
そうだよな。そんなことあるわけないよな。
(50ページ)
だが、そのとおりなのである。
スゲエ。そのとおりだって。
(50ページ)
アメリカの支配階級はタイムトラベルの技術を開発し、すでに実用化していると私はみている。
みてますか。そりゃ凄い。この高出力な展開。読むものを飽きさせません。これだけでもゾックゾクするやろ(@ザブングル)。
ちなみにこの後どう続くかというと、アインシュタインとか、イエス・キリストを巻き込んだCIA陰謀説につなげるという、陰謀論よくあるパターン。……おい、首相公選制はどこ行った。
政治家になりたい
ちなみにこの出力ビンビンの筆者。なんでこの本出したのかというと、政治家になりたいらしい。
(7ページ)
代議士の息子でもない私が、弱冠二十代で衆議院議員になるには、本書を出版することによって、世の中の注目を集めるしかない。
よかったね。オレに注目してもらえたよ!
(7ページ)
本書がベストセラーとなれば、必ずやその道が開けると確信している。
よかったね。オレが1冊買ったから、1冊分政治家への道が開けたよ!
でもって何で政治家になりたいのか。そのきっかけ。
(69ページ)
政治家という仕事に一生を賭けてみよう、私にそう決心させてくれた一本の映画がある。
お、映画ですか。どんな映画?
(69ページ)
オリバーストーン監督作品『JFK』だ。
筆者が幸せになりますように。