(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

全治3年のマッチポンプ性

ワタクシも市井の政治ウォッチャーとして長年演説を聞いておりますが、良くも悪くも初めて聞いたよね。現実に政治を動かす側にいる首相が、現実には動かせない側である野党に質問する所信表明演説って。

参議院は抑えられているといっても、衆議院は相変わらず3分の2持っているんだし、政府がやろうと思うことは実現できるわけなんだから、淡々とこれからやろうとすることを述べればいいと思うんだがなあ。民主党の意見なんて聞く必要ないし。主導権がどっちにあるんだか。見た目は堂々しとるけど、やっとることは小者だよ。大物は相手の動きを見る必要ないもの。
あとそもそも論として、この論理はおかしい。

めどをつけるには、大体三年。日本経済は全治三年、と申し上げます。三年で、日本は脱皮できる、せねばならぬと信じるものであります。

麻生内閣総理大臣演説等

全治3年。ま、いいよ。そういう診断で合ってるんでしょうよ。でも、問題は誰がそうしたかだよな。

  • 怪我させた人
  • 診断した人
  • 治そうとしている人

これが全部同じ人だってところに問題を感じるんですけど。それこそマッチポンプ的な。

  • 火事だ!火事だ!
  • 消防車呼ばなきゃ!119番しなきゃ!
  • まずは消火!火を消さないと!
  • 「で、誰が火つけたの?」
  • オレですが、何か?

こういう話と同じ構図。まるで誰か別の人が全治3年の怪我を負わせて、それを不肖麻生が……みたいな構図にしとるけど、そもそも政権は麻生がいた自民党が持ってたわけだし、麻生は閣僚や自民党三役として政権運営に携わっていたわけでねえ。もの凄く違和感があるな。
せめてその全治3年の怪我を負わせた経緯なり、理由なり、謝罪なりがあればまだ納得したんだけど。怪我させたことが悪いのか、診断ミスがあったのか、治し方がダメだったのか。どこに問題があったのかくらい言及があってもいいと思うんだけどな。そういう総括があっての「全治3年」という結論だと思うんだけどね。
不思議とここを突くマスコミなし。「民主党と読んだ回数」とかじゃなくて、こういう論理的な部分が大事だと思うんだけどね。どうなのよ、ジャーナリズム。