こんにゃくゼリーの論理破綻
もうね、アホかと。バカかと。マンナンライフを追い込んで、どうすんの?
事故があったので、社長とかを召喚してさ。
で、製造中止ですか。
なにそれ。理解できないなあ。意味わからん。マンナンライフを潰したいのかね。
マ社の売り上げの約9割は「蒟蒻畑」が占める。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20081008k0000m040170000c.html
マンナンナイフあぼーんの流れ。主力商品どころか、売上の9割だからなあ。オンリーワン商品がつくれないって。
危ないものはダメなんでしょ?
大体だなあ、事故が起きたからダメという流れがおかしい。
モチを筆頭に、こんにゃくゼリーより危ないものなんていくらでもある。こんにゃくゼリーの危険性云々を言うならば、こんにゃくゼリーより危ない食べ物もアウトでないと論理的におかしい。辻褄が合わない。
こういう三段論法だべ? ということは、こんにゃくゼリーより危ない食べ物もまた、売るべきではないという結論にならないとおかしいよね。論理破綻する。「危ない食べ物はダメ」という主張をし、その基準にこんにゃくゼリーを置いた以上、こんにゃくゼリーより危ないものは全部アウトというのがフェアな判断。こんにゃくゼリーがよくて、モチはおk。まして、小さな子どもやご高齢の方のためにつくられた流動食でも亡くなった人がいるのにね。意味わかりません。
こんにゃくゼリー的なものがダメなんでしょ?
「いや、危険性ではないのだ。こんにゃくゼリーみたいな商品はダメなのだ」ということにしましょう。その場合に出てくるのは、「なんでマンナンライフだけアウトなの?」ということ。「他の会社の製品はいいの?」って話が出てきやしませんかねえ。
というのも、スーパーや100円均一行けばわかるけど、マンナンライフ以外のこんにゃくゼリーも結構あるわけですよ。いろいろある。で、事故があったのはマンナンライフのものなわけだけど、同じような商品はある。売られている。
……それはいいの? 問題ないの? 何でマンナンライフだけダメなの? そこに合理的理由はあるの?
ま、理由はあるんですよ。それはわかってます。最大の理由は「事故が起きた」であり、「亡くなった人が出たから」。そしてそれが「マンナンライフの製品による事故だったから」なんでしょう。でも、事故の発生が理由なら、事故の原因をなくさないと意味がないよね。マンナンライフの製品をなくしても、他の会社がつくってちゃ意味がないよね。
実際にこういう指摘もある。マンナンライフ以外の会社の製品でも事故は起きている。でも野放し。……なんか論理的におかしい。
論理的に考えると
危険な食べ物は売るべきでないなら?
こんにゃくゼリーより危険な食べ物も規制すべき。表示などを見直すべき。
コンビニ24時間営業規制の話を思い出す
この論理のグダグダさは、コンビニの24時間営業規制の話を思い出すね。
- (過去記事)24時間営業規制はなんでコンビニ狙い撃ちなの? - (旧姓)タケルンバ卿日記 2008-06-30
コンビニの24時間営業は問題だと。環境に悪い。景観上や治安の問題がある。まあ、それはいいとしましょう。理由としては理解できる。しかし、それならば、コンビニ以外の24時間営業も規制されないと、話の辻褄が合わないはずなんだな。ファミレス・ガソリンスタンド・ファーストフード店はいいの?って話で。セブンイレブンがアウトで、マクドナルドがセーフ。意味わからない。
環境が問題で、省エネすべしというならば、コンビニ以外だって店を閉じるべきだし、コンビニ前にたむろする人が問題ならば、ファミレスやファーストフード店にもいるんだから、そっちの方も問題になってないとおかしい。ここでコンビニだけを標的にする合理的理由がない。省エネが目的ならば、その対象を広げた方が効果的なわけだし、そうした方がいいじゃん。そうできない、コンビニだけにとどめるってことに政治的意図を感じたんだなあ、当時。
翻って今回の件だけど、構図が似てる。コンビニをマンナンライフに置き換えるとそっくり。論理がグダグダ。しかし対象だけはしっかりフルボッコ。今回は事故が起きたことは事実なので、その点でマンナンライフに負い目がある。でも、そこまで追い込む件ですかねえ。ちょっと不合理なんじゃないの?
100%の安全なんて、ありえない
本当はこういう事故が起きた時、何も叩かなくてもいいはずなんですよ。親。悪くない。製造者。悪くない。そういうケースもあっていい。
事故ってそういうものですよ。誰も悪くない。でも起きることがある。予想外のことがあるから事故なんです。そして事故があることをどこかに意識はしていても、その意識を超えて起きてしまう。それも事故ですよ。
子どもさんが亡くなった。それは非常に不幸なことですよ。でも、こういう不条理ってのは、いつ誰に起きるかわからんことでありまして。オレが食べ歩きの最中に、食べ物をノドにつまらせて死んだ。ありえますよ。あります。否定できません。
100%の安全なんて、ないんです。モチだって本当は安全なんですよ。問題ない。しかし事故は起きてしまう。事故率0%でない限りは、どこかで起きてしまう。単純な確率論で、0でない以上はどこかに1がある。その1が重大な結果に至る。死ぬことがある。それが子どもなのか、大人なのか、お年寄りかはわからない。事故ってそういうものでしょ。この世の不条理でしょ。
それをモノのせいにしても仕方ない。誰かのせいにしても仕方ない。ある程度は自己責任。ある程度は製造者責任。しかし、そのどちらでもない領域だってあるはず。本来は「仕方ない」の話だってあるはず。それが「仕方ない」で済まないのは、死というあまりにも重大な結果に至ったからであって、本質論としては「仕方ない」の話だと思いますよ。しょうがないのよ。誰かには起きる。原因物質がこんにゃくゼリーか、モチかはわからんけど。食べることが必須の生活をしている限り、避けられない運命ですよ。仕方ない。
もう少し落ち着いて、論理だった展開を求めたいところですがねえ。どうも消費者庁を設置する口実に使われているような気がしましてね。ちょっとイヤな感じ。
「叩きやすいところを叩いとけ!」
そんな空気を感じて仕方ありません。はい。