(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

手を抜けるところ・抜けないところ

またもや卵焼きの話というか、だし巻き卵の話なんだけども、この話を見てなるほどと。

見える場所に価値が宿る

http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/archives/222

そうなんだよなあ。そういうところがあるんだよなあ。これ、だし巻き卵でもそうでしてね。だし巻き卵というのは文字通り巻いていくわけです。焼いた卵を巻いていく。巻いて形をつくる。大きくしていく。

こんなヤツを使って焼いていくわけですね。
でだ、つくるときに最初の方は不恰好でも形になるわけね。あんまり仕上がりに問題が出ないし。どうせ巻いちゃうし、中心にいっちゃうし。端のほうがべろっべろになっても、巻いてしまい、そして最終的に簾でギュッとやってしまえば大きな影響は出ないんですよ。
ところがです。最後のひと巻き、ふた巻きが非常に大事なわけですね。そのひと巻き、ふた巻きが外周になり、見た目を決定するから。売り物としての価値、食事の一品としての価値を決めてしまう。ひいてはそれが職人としての価値、店としての価値につながってしまう。
ダシを混ぜた溶き卵を流し入れ、焼いたら巻き、空いたスペースにまた卵を流し入れ、焼けたら巻く。これを繰り返し、何度となく巻いていくのに、その1回あたりの巻きの価値が、最初と最後で違うわけですね。同じ作業なのに等価ではない。

素人は、最初から最後まで、誠実な仕事をする。プロはたぶん、顧客から見える風景を見切って、顧客の想像する「プロの仕事」を目指して、自らの投入努力量を配分する。
素人はたぶん、「中身」にも、「外側」にも、同じように注意を払う。何か作るときには、まずは中身が作られて、最後に外側を仕上げるから、素人は、「中身」の段階から、丁寧な仕事をする。
素人はその代わり、最初から最後まで、同じ丁寧さで仕事をする。

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こういうところなんだよね。手を抜けるところの把握であり、同時に手を抜いてはいけないところの把握。価値を決定する要因は何かを掴む能力。勘所。そういうことなんでしょうねえ。
以上、またもや卵焼き絡みの記事でした。