(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

見なきゃ評価しようもないよ

映画「靖国 YASUKUNI」で揉めているわけですが、これに関する答えは一言。

まずは見せてみろ

話はそれからだ。
映画を見ないで内容がわかり、抗議できる人の超能力がうらやましい。オレはそういう超能力が一切ないので、見ないと評価ができません。また、人が「問題がある」と言ったからって、それを信じるような心の純真さもございません。「名作だ」と言われても信じません。疑い深い邪悪な人間なので、自分の目で見ない限りは信じません。
見ないもしない映画の内容がわかったり、一部の言説を信じて映画の評価をくだせる人たちは、オレにはない超能力を持っているとしか思えません。また、そういう声でビビッて公開中止を決定する映画館とかは、きっと類稀なる予知能力があるのであり、テレパシーがあるのであり、「サトリ」のような能力を持つ経営者に恵まれていることと存じ上げます。
四の五の言う前に見せてみろ。話はそれからだ。

自炊デビューのススメ

新たな旅立ちのシーズンであり、ひとり暮らしデビューを果たす方も多いかと思いますが、ひとり暮らし生活を送る先輩として言っておきたいことがあります。

自炊しろ!

メシは絶対自炊がいいです。自炊。基本的に「絶対」という物言いは嫌いで、「世の中に絶対はねえよ」「『絶対』は絶対に存在しねえ」をモットーとしておりますが、自炊に関しては絶対的な自信をもってオススメできます。絶対にやったほうがいい。

安い

外食と比べると、かかるお金が段違い。お話にならないくらい違う。
例えばご飯。弁当屋さんでご飯を買う。例えばオリジン弁当ならライスの中、250gで189円。
一方、米はいくらで売られているかというと、一般的なスーパーで銘柄米は5kg2,000円程度。1kg400円。250gで100円。この250gは生米の重さなので、実際に炊くともっと増える。ということは、炊飯にかかる電気代を加味しても、かかるお金は半分以下。
おかずなんかもっと露骨。朝ごはんを例にすると、卵かけご飯を外で食べると卵1こ50円とられる。ところが、買えば10こ200円以下。やっぱり半分以下。これは納豆も味付け海苔も梅干も一緒。外で1品追加すると50円〜100円とられる。それを自宅でやればプラス10円、20円の世界。
あるいは炒め物をつくってみよう。もやしと豚コマをサッと炒める。もやし1袋30円程度。豚コマ100g100円程度。調味料やガス代を加味しても200円でつくれる。が、外ではどんなに安くても2倍はとられる。定食ならば、安い店でも500円程度とられてしまう。これを考えると外食はもったいない。

栄養がとれる

「安い」と密接に絡んでいるんだけれども、外食よりも同じ値段で量が食べられるし、品数を増やせる。その結果、栄養もとれる。ま、偏ったものをつくって食べてちゃ意味ないが、しかしそれだって外食よりはマシ。量が食える分、救いがある。少なくてもお金に余裕ができるので、選択肢があるだけマシでは。

料理スキルが身につく

そしてこれですよ。自炊してると料理がうまくなります。最初ヘタでも経験値が手に入る。そうすりゃ、やがてはレベルアップするもんですよ。成長型に違いはあるものの、成長することだけは間違いない。
まして、自炊に手を出すのは早いほうがいいですからね。オサーン・オバーンになって自炊するより、若いうちにやっておいたほうがいい。年とってからはしんどいですからねえ。面倒だろうし、しかしそれを若いうちに習得しておくことで、後が楽になる。自炊に手を出すタイミングが早ければ早いほど、お金の無駄使いも減ります。外食と同じレベルであればより安いし、同じ値段であればより量が食えるので。
問題は味だけど、そこは経験で何とかなるでしょ。少なくても食べる人がつくるわけで、自分好みの味付けにすりゃいいだけのこと。最初のうちは自分好みの味にする方法がわからんから難儀するだろうけど、数こなせばんなもんはわかる。大した問題じゃない。経験が解決する話です。

経済がわかる

大げさかもしれませんが、こういう側面もありますよ。
いや、確かに自炊は面倒くさい。しんどい。だから外食する。コンビニ弁当で済ます。その分、それは割高だ。……ということは、その高い値段は自分が面倒くさい思いをせんための代償なわけですよ。楽するための対価。つまり時間を金で買っている。
そう考えると自炊が安いのも理解できる。自分でやるから安い。人件費がかかっていない。固定費もかからない。そういう事情が透けて見えるわけです。
また、自炊を通じて買い物をすることで、世間の経済の流れとか主婦感覚、商品の相場とかわかりますしね。こういう感覚があれば、毒ギョーザ事件があったときの感じ方も一味違うだろうし、日頃買い物をする立場ゆえの目線ってありますからね。こういう経験はしたほうがいいよ。

誰でもできる自炊

しかし、これだけ自炊のメリットがあっても、やりたがらない人はやりたがらないし、面倒くさいというひとは面倒くさいというまま。あんまり手をつけたがらない。また、環境がそれを許さない場合もあります。6畳1間、風呂なしトイレ共同とかだと調理スペースもないしね。そこで面倒くさがりやでも、調理環境が整ってない人でも自炊できる方法をお教えします。
まずはこれ買ってください。

炊飯器

自炊の基本は米です。まずは炊飯器を買ってください。3合炊きの普通のヤツでいいです。2万もありゃ買えるでしょう。ちょっと高い気もしますが、長い目で考えればすぐ元がとれます。1合炊くごとに100円得すると考えてください。毎食1合食べれば、200食で元がとれます。その後は儲けっぱなし。高い投資にはなりません。

無洗米

米は無洗米を買いましょう。これにすれば米を洗う手間がかかりません。釜に米を入れ、目盛りまで水を入れてスイッチオン。あとは時間が経てば炊き立てのご飯完成。なんの面倒なこともありません。
普通の米よりほんのちょっと割高ですか、5kgで100円200円程度のもの。外食の割高さを考えれば問題になりませぬて。

ブリタの浄水器

米を炊くときの水ですが、「水道水はちょっと」という人にこれがオススメ。

BRITA (ブリタ) ポット型浄水器 マレーラ XL (2.0リットル)

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蛇口タイプより手軽でいい。水を上から注いで放置。そうするとろ過された水ができる。カルキ臭もなく、普通にうまい。ドンキホーテとかだとカートリッジも安いしね。3こで5,000円もしない。1こ1,600円程度。どんなものか見てもらうため、一応アフィ貼ったけど、ドンキとかオリンピックの方が安いから、そっちで買ったほうがいいよ。
あと、カートリッジは3ヶ月で交換らしいんだけども、5ヶ月くらいならびくともしません。ええ、タケルンバは5ヶ月くらい普通に使ってます。ということは、5ヶ月で考えれば、1ヶ月あたり300円ちょい。そんな贅沢品じゃございません。
それにこれでうまい水をつくって、麦茶とかつくれば安いしね。100円均一で麦茶のティーパックとピッチャーを買ってきて、ティーパックをピッチャーにイン。そこにこの浄水器から水をドボドボ注いで放置すりゃ麦茶ができる。烏龍茶でもいいだろうし、粉ポカリでもいいやね。
飲み物系も外で買うと高い。けども家でつくればタダみたいなもん。1ヶ月あたり300円くらいなら、これで麦茶をつくるようにすればすぐ元がとれる。ましてこれから少しずつ温かくなる。麦茶のシーズンになるわけですからねえ。こういう工夫でお金の出方が違うぞ。

グリル鍋

調理環境のない人の味方。それがグリル鍋。これがあれば焼き・煮る・茹でるができる。大体のことがこれひとつで可能。

ZOJIRUSHI グリルなべあじまる EP-LA15-XJ ステンレスブラウン

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鮭の切り身を買ってきて鮭を焼く。目玉焼きを焼く。あるいはお湯をはってソーセージを茹でる。パスタなんかも茹でられる。味噌汁なんかも大丈夫だし、煮物もできる。グリル鍋っちゅうくらいだから、鍋もできるしね。
テフロン加工してあるから、油も使わくていい。洗うのも楽。直火じゃないから危なくないし、これは優れものですよ。安いしさ。
自炊デビューをする人は、とりあえずここで挙げたアイテムを揃え、まずはご飯を炊くところからスタートし、適当な食材を買って、グリル鍋でとりあえず焼いてみるところから始めると吉。肉・魚・野菜をただ焼いて、塩かけて食うだけでも全然違うから。それでも結構うまいもんだし、何度も言うようだけど、お金のかかり方が段違い。大食漢ほど違うぞ。
旅立ちのこの時期。華麗なる自炊デビューを是非。

カードを見せない外交術

我らが福田首相が相変わらず叩かれておりますなあ。

元記事はこれ。

「中国が努力している最中に、参加するとかしないとか言うべきではない」

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080403k0000m010136000c.html

この発言が叩かれる原因のようですが、そんな問題かねえ。わしゃ福田は好きじゃないし、媚中的な雰囲気は好きじゃないけども、これは外交戦略上普通ですよ。常識的な対応じゃないかなあ。
同じ趣旨の発言を先月もしてます。

「(中国政府を)声高に批判し、五輪と関連させることが今の段階で適当かどうか、よく考えなければいけない」

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2008032900299

一貫して慎重な姿勢なわけですが、これでいいんですよ。立場を鮮明にしないのも外交。手持ちのカードを見せないのも外交ですよ。
まあ、フランスのように断固とした姿勢を示すというのはわかりやすいし、あれも外交なわけですが、明言を避けるのも立派な外交。「事態の推移を見守る」と言えば「ちゃんと見てますからね」ということになる。「関心ありますよ」「興味ありますよ」という婉曲な意思表示だし、聞く人が聞けば「ちゃんと情報収集してますよ」なわけです。参加する・しないを言わずとも、無言のプレッシャーはかけられる。
今回の福田の発言にしても、聞く人が聞けば「中国が努力している最中に、参加するとかしないとか言うべきではない」は「努力しなければ……わかってますよね?」なんですよ。同じく「(中国政府を)声高に批判し、五輪と関連させることが今の段階で適当かどうか、よく考えなければいけない」も「五輪と関連せざるを得ないことになったら……わかってますよね?」なんです。これも立派な圧力なんですよ。わかりにくいけど。ただ、わかりにくいからいいんです。ノーガードで殴りあうのがいい外交とは限らない。こっそりと背後で刃を構えるのも外交なんですよ。これはこれでアリ。
それに皇族を利用されるのを防ぐべく、皇族の開会式不参加は既に決めてますしね。

皇族は出席しないことで、もう既に抗議の意思は表明したも同然。あとは首相が行くかどうかなわけで、それはこれからの中国次第だよと。何かあったら首相も行かないよと。日本からは皇族も首相も行かないよ。寂しい貴賓席になっちゃうね。そういう圧力になっているんですよ。なので、立場不鮮明だからって叩きすぎるのはどうかと。これは深謀遠慮だと思うねえ。ま、こやつはデフォルトがそうだから、考えがあってのことかどうかはわからんが。
それより何より、首相より外相だよ。こっちの方が問題あるぞ。

中国・チベット自治区の騒乱事件を理由に日本が今夏の北京五輪をボイコットする可能性について「ない。北京五輪は成功裏にやってもらいたいと日本政府は考えている」と否定した。

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080318/plc0803181108009-n1.htm

外交のトップが早々とボイコット否定というこの外交センスの欠如ぶり。福田より問題があると思うんだけどねえ。どうなのよ、これ。ボイコットするとは言わないまでも、する可能性を言外に残すのが大人の対処でしょうよ。「平和の祭典だけに、憂慮しております」とかさあ。それを「ない」って言いきっちゃうセンス。ステキすぎて二の句がつげませぬ。
……でも、福田の方が叩かれるんだよね。キャラがわかりやすいから。世の中そんなもんだよな。外務省乙。

並でうどん16玉

食えねーよ(笑)。

「肉汁うどん」のメニューでは、白田さんらしく「うどん」16玉が「並」となり、さらに「うどん」32玉を組み合わせた「大盛り」も用意される。

32玉完食できるか…!? 道頓堀にジャイアント白田のうどん専門店がOPEN/ゲーム情報ポータル:ジーパラドットコム

「らしさ」大爆発。並で16玉ですか。屋島の「わらや」の家族うどんでも10玉だからなあ。たらいで出てくるんだけど、終盤になるとたらいの中に薬味のネギがプカプカして見苦しいでおなじみの。以上、香川県人とさぬきうどん好きだけわかるネタ。
しかし並で16玉ですか。16玉は食えんなあ。前に1日がかりで12軒まわったから、1日では食えるけど、1食じゃ無理だ。1食での限度は5玉だ。

……ま、普通は12軒も無理なんだが。

「接近・展開・連続」は大西鐡之祐イズムです

岡田武史監督の「接近・展開・連続」ですが、あれ、どうも違和感あるわけで。

パクりじゃん

この一言に尽きるのですよ。ラグビー好きにはどうしても違和感がある。「おいおい、それをサッカーに持っていくなよ」と。ラグビーの麗しい思い出として残しておけよと。
ご存知の方も多いと思いますが、あえてご説明いたしますと、「接近・展開・連続」をラグビーに持ち込んだのは故大西鐡之祐氏。早稲田大学ラグビー部の監督。「前へ」の故北島忠治監督率いる重量級フォワードの明治大学や、日本よりも体格に勝る外国勢と戦うための戦術ですよ。そして今に至るまで早稲田大学ラグビー部に引き継がれるカラーでありますよ。「接近・展開・連続」でバックスが売りの早稲田。「前へ」でフォワードが売りの明治。こういうカラーがあるので、早明戦(明治関係者には「明早戦だ」と怒られる)はいつも面白い。
でもって、ラグビーもサッカーも起源を同じくするスポーツだし、海外勢とは体格差があるという事情も似ているので、この大西理論を持ち込むのもわからんでもないし、むしろそういう考え方をして自然かと思うんだけど、しかしそれにしても配慮がないなあと。なんというか、岡田監督のオリジナルみたいな扱いになってる気がしまして、ええ。「考えたのオレだよ、オレの戦術だよ」的な。
すくなくても大西鐡之祐を知らない世代はわかりようがないもんね。こういう背景を知らないから。1916年生まれの方だもんね。ご存命なら92歳。サッカーファンは比較的年齢層が若いので、知るわけねえ。
ただ、1916年に生まれた人が、既にこういう理論を実践していたことを知って欲しいのですよ。「接近・展開・連続」という言葉を使っていたことを知って欲しい。こういう戦術で世界と戦おうとしていたことを知って欲しい。強い相手と戦う際に、日本は何で勝負できるのか。こういう視点で勝ちに行った名指導者を忘れて欲しくないなあと。そう思うわけでありますよ。
しかも岡田監督は早稲田大学出身だしな。同学の偉大な指導者に対する敬意が欲しいなあと。もっと大西鐡之祐に対する言及があってしかるべきだし、マスコミもそれを取り上げて欲しい。まして「接近・展開・連続」を言っている以上は、バーレーン戦みたいな試合をしちゃ困る。ありゃ「接近・展開・連続」じゃねえもの。「キック&ラッシュ」だべ。フィジカルに勝るチームの戦術。とりあえず縦に放り込んで、力で解決みたいな。いくらアジアでは日本優位であっても、「接近・展開・連続」を売りにするチームの戦い方じゃないもんな、ありゃ。
そういう意味では、実はオシム時代の方が「接近・展開・連続」っぽかった。ショートパスをつないでつないで、走って走って、連続攻撃で相手を崩すというのは正しく「接近・展開・連続」。あるいは最近のアーセナルもそうだし、バルサはクライフ以来ずっとこのスタイルを志向している。圧倒的なフォワードを持たないチームの生きる道として世界で確立されたスタイルでもあるので、「接近・展開・連続」を名乗る以上はきちんとそれを実現して欲しいし、日本で「接近・展開・連続」を名乗る以上は大西鐡之祐にもうちょっと触れて欲しいと思う次第。
オシムの言う「エレガントなサッカー」って「接近・展開・連続」以外のなにものでもねえと思うんだけどね。