(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

アメリカの大人力

オリンピック各国選手団の食材持ち込みを認めません。

一方、アメリカは食材持ち込みを検討。

一見対立しているように見えて、アメリカの中国に対する配慮が見え隠れしております。中国の言い分はこう。

北京五輪大会用の食材の安全基準は国際基準より厳しいものとなっているばかりでなく、食材の種類では各国選手の食習慣の違いを配慮している。選手らの食安全需要に対し完全に満足でき、海外から食材の持参は認めない」

http://www.newschina.jp/news/category_1/child_31/item_9175.html

そしてアメリカがこう。

USOC(米国オリンピック委員会)のセイベル広報担当は、選手約600人の食事用に、肉やその他の食材を大量に合宿先の北京師範大学へ運ぶ予定と述べた。

http://www.cnn.co.jp/sports/CNN200802220017.html

米国からは選手のほか、約400人のコーチやトレーナーが北京に向かう予定で、彼らは選手村では食事できないため、北京師範大学で食事することになる。

http://www.cnn.co.jp/sports/CNN200802220017.html

中国は「選手は選手村で食え」と言っている。そしてアメリカは「選手以外は選手村で食えないから、選手以外は北京師範大学で食う」と。これなら中国の方針には沿っている。食材持ち込みはあくまで選手以外のためで、選手は選手村で食べますよと。現実にはそんなわけねえんだけどね。選手村じゃ食わねえよ。
とはいえ、中国を相手にする時は、こういう配慮が大切なのです。相手のメンツを立ててやらねばならん。「中国のメシは信用ならねえ」なら「なんだとこの野郎!」となるわけですよ。「選手村のメシは食いたくない」だと「うちのメシが食えねえってのかよ!」となる。こういう場合は「食べたいんだけど、食事済ませてきちゃった」が大人の対応なのですよ。「コーチとの打ち合わせついでに」とか「練習のついでに食べてきた」が大人の対応。そう言われれば中国も「じゃ、しょうがないね。また今度」となる。
今回の「選手以外のため」という口実は、そういう大人の対応。こうすりゃ中国も文句言いづらい。中国をクサすことなく、中国のものを食わずに済ませるなかなかの策略。こういう正面衝突を避けるやり方は、本当はアメリカは苦手そうなんだけどね。やっと中国を理解したのかね。逆に日本は隣の国なのに苦手。いい加減、中国人の性格を理解しろよ。正面からクサす相手には、拳でやり返す人たちなんだから。お互いに傷付かず、それでいてお互いの願望を達成するやり方を考えるべき。やるぜ、アメリカ。