夫婦はゆっくり、血縁者はいきなり
ふと思ったけど、これは他人ならではだよね。
スキンシップがなくなると、必然的に会話も減り、相手の考えていることがわからなくなった。
離婚して1年して思うこと
そうして3年くらいかけて、ゆっくりとゆっくりと他人に戻っていった。
これを逆に考えると、スキンシップとか会話を積み重ね、相手を理解し、受け入れることで、少しずつ他人じゃなくなるわけだよね。微妙な段階がある。もちろんそれをすっとばすきっかけとか、ターボ装置もあったりするんだけど（「できちゃった」とか）、基本的にはゆっくり少しずつ。
元々他人だからなのかな。他人だからこそ手間がかかる。縁がないからこそ、縁をつくるのに順序がいる。ゼロから関係性を構築するわけで、意外に手間がかかる。
でも、一度関係性ができると長続きするのもこっち。いきなりは他人にならない。他人から脱するために段階を踏んでいるので、他人に戻るのにも時間がかかる。結婚に限らず、友人関係とか仕事の付き合いなんかもね。ほんのちょっとの付き合いを維持するだけでも長続きするし。
一方、親戚とか肉親とかの血縁関係は意外ともろい。結婚とか友人関係のような積み重ねがないから、一気に他人になる。「遠くの親戚より近くの他人」とはよく言ったもんでねえ。これはかなり本質。親戚という口実だけで近寄ってくる人は、ある日、突然他人になる。友だちのような付き合いの親戚は、何かあっても友だちでいられるけど、単なる親戚は、親戚であることの不都合があるとすぐ逃げるから。信用ならん。急に数が増減しやがるし。……オマエ誰だ。ナニモノだ。
夫婦はゆっくり他人になる。
血縁者はいきなり他人になる。
世知辛いけど、こういうところがある。親兄弟より義兄弟。生まれと同時にできた縁より、生まれたあとにできた縁を大切に。縁は維持して、育む努力を。
