(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

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うますぎるものは飽きる

たまにですよ。うなぎ食べたくなるんです。無性に。タレの香り。煙。ハシがすっと入る柔らかな身。山椒の香り。ほっくらとした感触。とろけるように崩れていく身。脂の甘み。タレとご飯との相性。その記憶全てがフラッシュバックして襲ってくるんですよ。そうなるとどうしよもない。「うなぎいいいいいいい!!!」という気分です。うなぎ以外見えない! うなぎだけを愛したい! うなら、うなり、うなる、うなれ、うなろ。うなぎ五段活用! 俺はうなりてえええええ!
で、食べる。呆れるほど食べる。ご飯も食べる。丼で食べる。うなぎの一番おいしい食べ方は、熱々のご飯にうなぎをのせ、タレをドバヤーッ。これ。分けるタイプは上品すぎて好かん。下品に丼! それをかっ込む。ぬおおおおおっ、うなぎうなぎうなぎ! タレタレタレ! ご飯ご飯ご飯! うまいぞおおおおおおっ。
……食べた。するとですよ。こんだけ熱情にあふれてたうなぎ熱が醒めているわけです。うなぎ愛が消えているわけです。はるな愛とは違うわけです。空目したことなナイショなのです。
あれだけ、うなりたかったのに。うなろうとしてた、あの思いは何処。その望みがかなった途端に……。俺は冷たい男なのです。俺のうなぎ愛は醒めてしまうものなのです。
しかしだ。味のあるものほど、俺の場合、こういう傾向があるんです。ケンタのチキンなんかもそうだな。たまに無性に食べたくなる。ファミリーバーレル全部行けるんじゃないか、と思うくらい食べたくなるときがある。「チキンンン(以下略)」になるわけですよ、やはりね。
しかしこれまた食べると落ち着く。うなぎにしても、ケンタのチキンにしても、食べるとしばらく食いたくなくなるんですよ。「しばらくはいいや」ってなもんで。一度は恋焦がれた関係ですから、「顔も合いたくない」みたいなことにはなりませんし、たまたま出会えばきちんと食いますけど、情熱に燃えたあのうまさとは違うわけです。

うますぎるものは飽きる

こういうところがありましてね。飽きるんです。うまいっていいことだし、日頃からうまいものを食べたくて、食べ歩きしているわけですが、うますぎるものは飽きる。連続して食べようと思わない。
逆にほどほどのうまいものって、連続して食べれるし、飽きない。よく行くラーメン屋があるんですが、そこは飽きないんですよ。連続して食べられる。今時のコッテリとしたスープでもないし、具も普通のもの。一般的なスープ、麺、具の、至って普通のラーメン。しかし普通だからいいんですよね。食べ飽きない。舌がうまさに慣れすぎないというのかな。ほどほどの刺激の方がいいんですよ。
自分の場合、昔から通っている店が何軒かあって、大体こんな感じなんだよね。うますぎない。飽きる店だと連続して通えないので、ほどほどの店が何故か多いのね。ガツンとうまいわけじゃないけど、きちんとうまい。そういうお店。
なんというか、一定期間の中で許容できるうまさ成分の値って、一定なような気がしますね。たまにうなぎをガツンと食うか、ほどほどのものを毎日食うかみたいな選択。うなぎを選ぶとしばらくはもういらんというのは、こういうことなんじゃねえかと。もう十分うなったから、他のものをくれよと。そういうことに体がなるんだろうなあと。自分の体を通して思ったのであります。
……うなぎ食いたくなっちった。