怪しい店のうまいすば - トニーそば 栄福食堂
石垣島に戻り、まずは夕食。まだ石垣島に来て、きちんとした八重山そばを食べてない。というわけで、すばに突撃。
ここ。離島ターミナルから近くて、夕方やっていて、うまそうなところということで。
で、店入っての正直な第一印象。
「……失敗したかな?」
つかね、濃いいのよ。店も、おっちゃんも。
店内は赤木圭一郎の写真だらけ。
通称はトニー。
赤木圭一郎 - Wikipedia
だから「トニーそば」なわけよ。
で、おっちゃんがとにかくしゃべるしゃべる。「どこから来たの?」「今日は何した?」「明日はどうすんの?」「うちはよく取材が来る」「この前はイギリスのガイドブックが……」などなど。
で、一応標準語で表記したけど、これを方言バリバリで話すから、慣れない人は聞き取れんレベル。かなりのヒアリング力を要求するマシンガントーク。いつもは社交的な連れのひとりが、おっちゃんが話し出すなり心を閉ざしたレベル。なかなかつらい。
とまあ店とおっちゃんは怪しいが、肝心のそばはなかなかで。
ちゃんぽん麺のようなそばと、少な目のダシ。これが八重山スタイル。ちょっと具は亜種だけどね。ソーキのちぎったのとか、鶏皮なんかも入ってた。ダシで使ったものを転用してるのかね。
で、ダシもうまいし、麺も好みなのでなかなか良かった。俺は無類のちゃんぽん好きなので、こういう麺が好きなのです。沖縄そばとか八重山そばの麺って、コシとかを要求すれば物足りないし、「ボソボソでおいしくない」という結論に至っても不思議はないけど、「これはこういうもの」としか言いようがない麺なんですよねえ。「『ブツッ』と切れる歯ごたえに不満」みたいな意見はあるんだろうけど、「だが、それがいい」と言うほかない。だって、そういうものだもん。そういう製法、そういうジャンルの麺だもん。
個人的には細麺好きなので、本当の沖縄そばより、こっちの麺が好きだなあ。太くてブツッより、細くてブツッの方がおいしく感じる。ま、このあたりは単にちゃんぽん好きだから、好みが合ったというだけかもしれんけど。
あと八重山そばの特徴は島胡椒。
「ピパーツ」「ピパーチ」「ピーヤシ」とかいう言い方をする調味料。これを入れる。においはお葬式の焼香みたいな感じなんだけど、これをパラリと入れると味に一本芯が入る。スパイシーとか辛いとかいう風味じゃなくて、味の芯なんだな。下支えをするというか。不思議な風味。
これを入れると入れないでは大違い。沖縄そばもコーレーグス入れる・入れないで味が違うけど、コーレーグスはときにダシクラッシャーになる。その点、島胡椒は主張し過ぎないのでいい感じ。これはもっと流行ってもいい調味料だと思う。島胡椒はじまったな!
あと写真のそばには豆腐が乗っているが、この店では豆腐なしが八重山そばで、豆腐ありがトニーそばらしい。何か気に入られたようで、気がつくとトニーそばになってた。普通の八重山そば注文したんだけどね。豆腐はうまいんだけど、そばとは合わんな……ありがたいけど。
食べ終わった後もおっちゃんが盛んに話しかけてきたが、相変わらずヒアリングに困ったのと、予定があるので退散。
あと、言うまでもないことだが、赤木圭一郎の話は地雷。「多分帰れなくなるな」と思って我々はその話を振らなかった。
「赤木圭一郎好きなんですか?」
死亡フラグだ。気をつけろ。
ま、いいから赤木圭一郎のビデオでも見ていってくれる?
http://kyujitu.hp.infoseek.co.jp/soba/ishigaki-tony/tony.htm
と、話しこんだら、すぐには帰してくれないおじさん。
2時間近くこの店で話しこんでしまった。「はいはい、トニーは最高です。」
だってさ。
日の入りを見に行こう - 御神崎
ご飯を食べてもまだ外は明るい。
こちらで調べると、6月29日、石垣島の日の入りは19:36。東京は19:01。30分以上も日が長いのです。
ちなみにこの日に行って来た西表島。何で「西」を「イリ」と読むかというと、こちらの言葉では、西は太陽が入る方角だから「イリ」。逆に「東」は太陽が上がってくるので「アガリ」。ちなみに「北」は「ニシ」という。ややこしい!
それはともかくだ、せっかく日の入りが拝めるいい時間なので、南国の日没風景を見に行く。なあに、島の西側に行けばいいだけのこと。景色を阻む建物なんかない。
サンセットスポットとして知られる御神崎に向かう。
島の中心地からひたすら西へ。沈む夕日に照らされる海の風景ってええのう。
灯台がある御神崎に着いたのが19:30くらい。そこからしばらく日没風景をただ見ておりました。
ああ、金曜ロードショー。
夕焼け最高。
ハイソな八重山そば - 島胡椒(ぴぱーつ)
「すば - 夕焼け - すば」というコンボをキメるべく、石垣島中心部に戻る。
食べに行ったのはこちら。店名は八重山そばに欠かせない調味料の島胡椒。すばは昼の食べものということもあり、早めに閉める店が多い中、遅くまでやっているという貴重な店。
八重山そば。ダシはカツオとトンコツから選べる。アッサリ好きなのでカツオをチョイス。
あとじゅーしーも。炊き込みご飯。沖縄に来たらこれだ。
具は三枚肉と八重山かまぼこが短冊状になっている、八重山そば定番のスタイル。
カツオダシが実に濃厚。後頭部にまでダシのうまみがガシッと来る。塩分控えめで、全体的に上品な味付け。栄福食堂はややワイルド系だが、こっちはハイソ系ね。じゅーしーも上品な味だし。
麺も微妙に栄福食堂と違う。あちらはかなりちゃんぽん的だったが、こっちはちゃんぽんより沖縄そば方面に近づいた感じ。ボソッと感が増してる。麺自体のうまみはこちらの方が上な気はするが、麺を食べたときの食感はさっきの方が良かった。ま、好みの問題。根本的にうまいということは変わらないが、うまさの方向性の差異があるっちゅうだけで。
なかなかおいしゅうございますなあ。本日も満足。
宿に戻り、本日も早々と就寝。明日はシュノーケリング。サンゴが俺を呼んでいる。
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