(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

総量規制不況がやってくる

本当にやるんかなあ。

総量規制。

総量規制とは個人の借入総額が、原則、年収等の3分の1までに制限される仕組みを言います。(ただし一部除外または例外となる借入れもあります。)

総量規制とは | 貸金業法について

困ったことになると思うんだけどな。借りる側はお金を借りるときに不便になるし、貸す側にとっても不便になる。どっちにとっても不便な話なわけで、メリットを感じない。こういう規制が経済をダメにするんじゃないかね。消費が冷え込む理由になるんじゃないのかねえ。

「多重債務者保護」という名目があるんだけど、余計なお世話だと思うんだよね。

貸金業者に借り手の返済能力の調査を義務づける

http://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/01.pdf

ほっとけばいいじゃない。調べずに貸してもいいじゃん。貸す側が損するだけなんだからさ。

調査の結果、総借入残高が年収の3分の1を超える貸付けなど、返済能力を超えた貸付けを禁止する

http://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/01.pdf

別に貸せばいいじゃない。年収の3分の1だろうがなんだろうが、それでも返済能力がある場合もあるだろうしさ。それに借りたい人がいるわけだから貸すわけでしょ。借りたいんだから、借りさせてやりなよ。禁止される筋合いはないわな。
このあたりはさ、単純な「経済活動の自由」だと思うわけ。お金貸そうと、借りようと、基本的には自由。「ほっとけ」という話。それで得しようと損しようと個人の責任であって、国がどうこう言う筋合いはないし、言われる関係性はない。国に生かされているわけじゃないし。むしろ税金を払って国を生かしているわけなんでね、納税者が。
極端な言い方をすれば、「わざと損する自由」もあるわけよ。ま、このあたりは信条の問題であり、人によって大きく対立する部分ではあるんだけども、俺なんかは「身元を調査せずにお金を貸して逃げられる」自由があると思うわけね。貸す側に。同時に「返せないレベルのお金を借りて、にっちもさっちも行かなくなる自由」もあると思うの。借りる側に。極論ではあるけれど、「自由」ってのはそこまで含めて自由だと思うわけ。人間は必ずしも合理的な選択をするわけじゃない。好んで非合理的な選択をする場合だってあっていい。その結果を自分が甘んじるんであれば、周りはほっとけと。
もちろん一定の歯止めはいる。

3.行為規制の強化
・夜間に加えて日中の執拗な取立行為など、取立規制を強化
・貸付けにあたり、トータルの元利負担額などを説明した書面の事前交付を義務づける
貸金業者が、借り手等の自殺により保険金が支払われる保険契約を締結することを禁止
公正証書作成にかかる委任状の取得を禁止。利息制限法の金利を超える貸付けの契約について公正証書の作成の嘱託を禁止
・連帯保証人の保護を徹底するため、連帯保証人に対して、催告・検索の抗弁権がないことの説明を義務付け

http://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/01.pdf

こういうのは必要。貸し借りのルールとして。でもさ、こういうルールを踏まえた上であればさ、誰に何を貸そうと、誰にいくら借りようと自由じゃね? 「年収の3分の1」が返済能力だなんて、国に決められる筋合いはなくね? 少なくても「弱い」とされ保護の対象となっている借りる側には問題ないし。違法な取り立てとか、負担額がわからんとか、自殺ビジネスにつながるとか、違法な金利を課されるとか、保証人がいいようにやられることが問題なわけでしょ。そのあたりを事前にきちっとクリアすればさ、いくら貸しても、いくら借りてもいいじゃない。そういうのが「経済活動の自由」じゃないのかなあ。多重債務の問題と、貸し借りのルール作りは別問題ですよ。
このままだと改正貸金業法が6月に完全施行され、総量規制も導入される。差し当たりクレジットカードとかに影響が出てくるんじゃないかなあ。個人での収入がない専業主婦・主夫が、ネットでクレジットカードで買い物をする場合の障害にならんかな。ネット消費の冷え込みにつながらんだろうか。
あるいは中小企業の経営に打撃を与えないだろうか。大企業ではあまりわからないことだろうけども、会社を辞め、事業を起こしたてで信用がない経営者にとって、消費者金融からの借り入れや、クレジットカードのカードローンが事実上のマイクロクレジットとして機能している現実がある。誰も貸してくれない、借りるあてがない。そういうときの消費者金融、カードローンのありがたみは中小企業を経営に携わらないとわからんもの。「だからダメなんだ」「そんな会社に先はない」という反論もあるかもしれんが、今、大きな企業だって小さいときには「カードローンでの10万借り入れで何とかしのいだ」歴史があったりする。目先の10万を手に入れたことで、倒産を免れた例など山のようにある。
こういう会社、経営者はどうなってしまうんだろう。10万円、20万円の資金繰りを、こうした借り入れでしのいでいる状態はどうなるんだろうか。借りたいのに借りれないその需要はどこに行ってしまうんだろう。そしてそのわずかな借り入れができるかどうかで倒産してしまうリスクをどう考えればいいだろう。そっちの方がアホくさいし、勿体無いこと。多重債務などの悪い面だけがクローズアップされるけど、中小企業にとっては頼みの綱、頼りになるマイクロクレジットであることを忘れちゃならんと思うのよね。

法曹界などは、資金繰り悪化の要因は販売不振などが大きく、改正法の影響などによるノンバンクの融資態度の変化は、ほとんどないと指摘。多重債務者や自己破産は減っていることから、見直しに反対している。

http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2010010702000067.html

販売不振に加え、危機をしのぐ最後の綱さえ失ってしまってはなあ。中小の現実を知らなすぎるよ。
「総量規制不況」にならんためにも、見直し反対を主張しておきたい。法律で決めるべきは貸し借りのルールであって、調査の義務付けとか、借入額の上限とかじゃねえです。
通常国会で最後の望みをかけて。