不利益を被る自由もあるんじゃない？

ソウルでノーヘルで走るライダーを多く見かけた。韓国はノーヘルで走ってもいいのね。ただ、よくよく考えてみると、こりゃ当たり前なのかなあと。そもそもヘルメットなんて自分のために着けるものなわけで、それを国に「着けろや」って言われる筋合いはないし、それで免許減点とかされる話じゃない。こういうのは自由でいいよなあと。それぞれに任してもいいんじゃないかなあと思ったわけだ。
で、翻って最近の日本は、こういう個人の勝手とか自由に踏み込んでくる話が非常に多いよなあと。例えば車のシートベルト。あんなのもヘルメット同様、着ける人の安全のためにあるもので、着けなかった場合、その着けなかった本人にその結果が跳ね返ってくるわけで、他人とか国がとやかく言う話じゃない。「わざと着けないのならご自由に」というだけ。
後部座席のシートベルトなんてのもそうだよな。なんだか厳しくなったけど、本当に迷惑。ま、高速バスとかは、シートベルトを着けなかったヤツが事故のときに人間ロケットのように飛んできて、全然関係のないヤツが流れ弾に当たるケースがあるので、他の人の安全という意味でわからんこともないが、マイカーの場合なんかはねえ。車ごとに着けるも着けないも自由でよろしいのでは。大人なんだからさ。勝手にやろうよ。
メタボリックに関する話もそうだよな。なんだかいろいろ取り組みがはじまって、ああだこうだやってますが、そんなのはほっとけよという話で。太るのも痩せるのも自由。国にああだこうだ言われる筋合いはねえよ。食った結果は自分に跳ね返ってくるわけでさ。ほっといてくださいよ、もう。
こうしたものは大人の権利だし自由だし勝手だと思うわけですが、この中には「わざと不都合なことをする権利」「わざと不利益を被る自由」「わざと不合理なことをする勝手」があるはずなんですよ。わかっててやる。わざと損をする。そういう自由がある。
例えば駅の売店で、面白そうな東スポの見出しが見えている。でも半分のところで折れているので、全部読めない。で、買うと見出しの最後に「か？」みたいなのがついていてスカされることはわかってるんだけど、それでも買っちゃう。わざとダマされちゃう。こういうのって大人の自由だと思うわけね。大人の勝手なのよ。そして大人だけに許された高級な楽しみなわけです。騙されることを楽しんじゃおうと。マイナスをプラスにしようと。こういう娯楽もあるわけですよ。
なのでわざとノーヘルで走り、事故ったら危ないのと引き換えに、思う存分に風を感じてもいいわけだし、シートベルトをはずして思い思いの姿勢で運転してもいいし、ひたすら食いまくってメタボ一直線になり、病気になってあぼーんしてもいい。そういう不都合な結果を含めての人生であり、それぞれのライフスタイルなのでねえ。良いも悪いもねえよ。個人の選択の問題であります、はい。国がこういうことを規制するってのはとんでもねえことだよ。
ただ、一方でオレは子どもに関してはこの権利・自由・勝手を認めたくはないのね。あくまで大人だけのもの。なんでかというと、子どもには大人になる義務があるから。そして大人には、子どもを大人にする義務があるから。なので子どもに対してはヘルメット着用義務付けだし、シートベルト当然着用。大人は着用・非着用を自分で決めていいけども、子どもはダメ。親が管理する。「着けたくない」って言っても着けさせる。それが親の仕事じゃないのかな。大人になるまでの管理。
しかしそれにしても、大人になってしまえばひとつの立派な人格。あとは本人の問題だし自由。それぞれのことだし、それぞれの人生なんだし、自由にすればいいんじゃないですかねえ。シートベルトを着けなくてもいいじゃないですか。事故が起きたときに困るのは自分なんだし。不利益を被る自由は国にあれこれ言われることじゃないと思うんだがねえ。好きなものを食べまくって、メタボになってもいいじゃない。食いたいものを食えない人生よりも豊かだって価値観もアリだと思うんだけどな。
最近は規制の話ばっかりなので、ちょっとテンション下がる。もっと自由に生きたいね。……オレは自由すぎるかもしらんが。