(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

そごうは繰り返す

老婆心というか、まあオッサンの戯言です。
新宿の駅前なんかに次々と家電量販店ビルの建物ができるにつれ、心配になってくるのよね。ヤマダ電機なんて東口にある上に、西口にもつくったでしょ。でかいの。
こうなってくると共倒れどころか、その先の心配をしてしまう。

家電量販店は「そごう」になるのではないか?

くしくも「有楽町で逢いましょう」の有楽町そごうは、今やビックカメラになっているわけだけど、家電量販店も同じ道を歩むことになるんじゃないかと懸念している。
ただでさえ同業他社との競合がきつく、競争が激しい上に、同グループの店舗同士で食い合う共食い状態。山手線だけで考えても、新宿にあって池袋にあって渋谷にあって……が当たり前。一駅ずつ一店舗もいるか? まして一駅に二店舗も三店舗もいるか?
しかもパイは小さくなるばかり。例えば地デジ特需が終わったことで、今後のテレビ商戦はこれまでほどに盛り上がることはないだろうし、めぼしい家電は各家庭に行き渡り済みで頭打ち。新たな製品、新たな価値観が生まれないとパイは大きくならない。
それにそのパイが大きくなったからといって、それが家電量販店のパイになるとは思えない。Appleの製品なんか典型だけど、彼らは必ずしも家電量販店で売る必要ないわけで。直営の店舗があるわけだし、それに店舗なしでも製品が売れる環境を整えているわけだし。
彼らが必要としているのは、ショーケースとしての展示スペースであって、製品を販売する最前線を求めているわけじゃない。
今後、商品流通において中抜きは進むことはあっても、減ることはなさそうな雲行きであるし、Amazonのようなバーチャル店舗にパイを取られることがあっても、リアル店舗のシェアが伸びる展望なんてない。
そういうあれこれを考えていくと、借入によって建物を確保して新店をつくり、そこで新たな売上を生み出して、その売上を担保に借入を……というそごう、あるいはダイエー以来伝統のサイクルは、その両社が既に一度破綻しているように、家電量販店においても厳しいのではないかと思うのだ。
けれども、街に出て見るのは、大きなビルに家電量販店のマーク。建築中のビルに家電量販店新店オープンの告知。
家電量販店バブルはいつ終わり、どこがそごうになるんだろうか。杞憂に終わるといいなと、ビル群を見ながら思う。