被災地の今を訪ねる (1) - (旧姓)タケルンバ卿日記 より続きです。
10月24日朝7時、JR山手線の大塚駅より車にて出発。
- 出版社/メーカー: エステー
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測定値 | 年換算値 |
---|---|
0.06μSv/h | 0.5mSv/年 |
0.11μSv/h | 1mSv/年 |
0.23μSv/h | 2mSv/年 |
0.57μSv/h | 5mSv/年 |
1.14μSv/h | 10mSv/年 |
2.28μSv/h | 20mSv/年 |
目安として測定器の取扱説明書に記載されていたこちらの表を転載しておく。
なお、自然界から受ける放射線量は、世界の平均で年間2.4mSv/年、日本の平均で年間1.5mSv/年。測定値基準で言うと0.3μSv/hくらいなら世界的に見て、ごくごく自然に受けうる数値であるし、国内で考えても0.2弱くらいの数値であれば、特に珍しくないと解釈しておくといいのかも。……非専門家の本当にざらっとした説明だが。
JR大塚駅前 - 0.12μSv/h(2012-10-24 6:45)
東北自動車道 上河内サービスエリア - 0.07μSv/h(2012-10-24 8:49)
東北自動車道 150kmポスト付近 - 0.21μSv/h(2012-10-24 9:13)
東北自動車道 189kmポスト付近 - 0.08μSv/h(2012-10-24 9:36)
と思いきや、あっさり下がる。計測の誤差や、走行中の計測であるということもあるんだろうけども、多少の数値の上下動は、こと相手が自然界である以上しょうがないことなのかなあと。地形や風の方向、天候状態で変動するんだろう。
東北自動車道 210kmポスト付近 - 0.34μSv/h(2012-10-24 9:50)
東北自動車道 230kmポスト付近 - 0.49μSv/h(2012-10-24 10:21)
高速道路上での計測では、これが最高値だった。ホットスポットが近くにあったのかな? 道路脇の草むらを除染しないとダメとか。
ま、高い数値であるが、何せ高速道路。高速で移動しているわけで、同地にとどまっているわけではない。この数値を受け続けるわけではないというところが重要。「何も問題はない」とは言えないものの、「問題が起きるような状況ではない」ということは言えそう。
福島県飯野町大久保 - 0.38μSv/h(2012-10-24 11:01)
高速道路を下りて、休憩ついでに計測。場所によっては0.1μSv/hとかの場所があるものの、同じく場所によってはこのような数値が出るわけで、測り方と測る場所次第と言えなくもない。
福島県飯舘村 一の沢バス停付近 - 2.97μSv/h(2012-10-24 11:38)
飯舘村に入ると数値が上がった。飯舘村は福島原発からやや離れた場所にあるものの、震災当日の風向きや地形の影響で放射線量が高く、今も立入禁止措置が残っている地域。
こちらにある図の、警戒区域が飛び地のようになっている場所が飯舘村だ。
あらかじめお断りしておくと、この場所の計測は「どのくらい高い数値が出るんだろう」という興味のもとに行ったので、他の場所とは計測方法が一致しない。つまり、
- あえて車を停めて、車の外に出て
- あえて草むらの方に進み
- あえて水辺があるところを選び
計測している。
計測地点は道路脇のこんな草むらだ。
この2.97μSv/hは年間の値に直すと20mSV/年を超え、計画的避難区域の基準を超える。
1.「計画的避難区域」の設定
東日本大震災への対応 -首相官邸ホームページ-
(1) 福島第一原子力発電所から半径20km以遠の周辺地域において、気象条件や地理的条件により、同発電所から放出された放射性物質の累積が局所的に生じ、積算線量が高い地域が出ています。これらの地域に居住し続けた場合には、積算線量がさらに高水準になるおそれがあります。
(2) このため、国際放射線防護委員会(ICRP)と国際原子力機関(IAEA)の緊急時被ばく状況における放射線防護の基準値(年間20〜100ミリシーベルト)を考慮して、事故発生から1年の期間内に積算線量が20ミリシーベルトに達するおそれのある区域を「計画的避難区域」に設定しました。
もちろんこれは悪条件を選んで計測した数値なので、今現在の問題はだいぶなくなっているんだろうけども、今もって警戒区域の指定が解除されていないのは、今もなお高い放射線量が計測されている現実があるからなんだろうなと。そう考えるには十分の数字のインパクトがある。