(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

アジアカップ 日本 VS サウジアラビア

……負けましたか。ま、サッカーで負けはつきもの。そもそも引き分けがねえと考えれば、2回に1回は負けてしまう確率の競技なので致し方なし。負けという結果は受け入れないとね。常勝なんてありえないし。ブラジルでも負けることがあるわけだし。
ただ重要なのはどうゆう負け方をするかなんですよ。2回に1回は負けるってことは、確率的に相当大きいわけですよ。結構な回数負けることになる。だからこそ負けの中から何を得るかが大事。2回に1回の負けから得るものがあるかどうかでは、その後の成長に大きな差が出るわけで。負けを無駄にしちゃいかんのよ。
ほら、野村克也もよく言っとるじゃないですか。「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」って。偶然に勝つことはあるけど、負けるときは必然なのですよ。理由があるから負ける。その理由をクリアすることが次につながるわけで、それが負けの効用であり、成長エンジンだと思うわけですな。
で、今回の負けた理由は端的に言ってこの2つではないかと。

瞬発力に秀でた守備陣の不在

中澤も阿部もヘディングや1対1にも強い優れたDFで(阿部をDFと呼ぶのはまだ抵抗感があるけどね)、鈴木啓太も運動量のある選手なわけですが、瞬発力があるタイプじゃないんですよ。裏をとられたときのカバーリングに難がある。3人とも前を向いた場面で強いタイプで、局面を読む場面で実力を発揮する選手。予想外の展開についていくスピードはないんだよね。
今回のサウジ戦は正にそこを個人技でやられたわけで、そういう対応ができる守備陣が欲しいなあと感じた次第。高さを重視したあまり、スピードが足りない。アルゼンチン代表で言うと、サムエルはいるんだけど、コルドバがいないよねって話。守備陣の選択肢として欲しいですな。……U20から上げるしかないかな。坪井はケガ多いし。

縦の展開力に優れた攻撃陣の不在

W中村にしろ遠藤にしろ、今回目立ってたのはサイドチェンジなどの横の展開力なんだけど、ついぞ縦の展開力が見られなかった。欲しいのはミドルシュートであり、アーリークロスであり、ドリブルの突破。ゴールに一直線に突き進む推進力が欲しい。加地・駒野を中心としたサイド攻撃はそれはそれで有効なんだけども、そればかりだと能がない。時に内に切れ込んだり、中央突破をする場面があるからサイドが効いてくるわけで、サイドを有効に使う意味でも縦の展開が必要では。1対1を仕掛ける場面はもっとあってもいい。
そういう意味ではルマンの松井あたりが候補なんですかね。あるいは田中達也とか。その場合は縦への意欲に欠ける遠藤を外すか、高原の1トップにするか。ま、このあたりはオシムも手を打つことでしょうね。
で、最後に早めに釘を刺しておきたいんだけど、アジアカップ敗退を受けて、オシム更迭論が一部マスコミ(夕刊フジとか夕刊フジとか夕刊フジ)から出ると思うんだけど、個人的には一切その必要はねえと考えております。だって、ワールドカップに向けた強化は順調じゃねえすか。強くなってなってますよ、着実に。課題はまだまだあるものの、選択肢は増えているわけで。戦術のコンセプトも見えてきましたしね。
それにこれでクビにするようなら、もう誰も有力な監督は日本に来ませんよ。これ以上何ができるかって話で。もちろんアジアカップはベスト4敗退であり、ここに限れば監督の責任はあるものの、目標はアジアカップじゃねえですからね。あくまでワールドカップ。ワールドカップに向けて順調ならば万事OK。目標を勘違いしちゃなんねえです。
大体にして日本を強豪国を考える手合いが多いから、監督更迭だのなんだのって話になるわけですが、まだまだ日本は新興国。学ぶことは多いんですよ。実際、ワールドカップ初出場は1998年。そういう意味ではまだ10年程度の歴史しかない国なわけで、強豪国気どりはまだ早い。勝ったり負けたりを繰り返して強くなる段階。ブラジルみたいに負けは許されないわけでも、王国でもなんでもないわけで、負けから学べばよいのですよ。
ましてや、オシムは今のところ大きなミスも、監督として???みたいなシーンもないわけで。辞めさせる合理的な理由がない以上は続投させるべき。実際問題、オシムより有能な後釜なんて見つからないだろうしね。屁理屈つけて更迭を考えるより、現実的な強化を考えるべきですな。