(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

観光庁とは如何に

久々にディベートのジャッジをやることに。で、その論題が決まったという連絡を受けたのだが……むむう、また門外漢の論題じゃねえか。

観光庁! こらまたマニアックなテーマを。また本腰入れて勉強しねえとわかんねえじゃねえか。ただでさえ行政学分野は弱いっつーのに。「じゃ、何が強いのよ」とか言われても困るけどさあ。
とりあえず現時点での知識を総動員して書くと、基本的には「現在の枠組みでできねえの?」という話に集約される気がしますな。で、是側は「できねえことがあるから困っている」という立場。あちこちの省庁をまたぐような話があり、そうした省庁間の調整が面倒くせえと。またそれが障害になっていると。「国土交通省はOKなのに、経済産業省がダメと言っている」みたいな。あるいは地方自治体との関係ね。中央と地方が同じ方向で動いていないと。こういった「縦割り」の弊害があるから、専門の省庁をつくり、あらゆる観光行政を任せてはどうかと。
一方で非側は「現状でも十分対応できる」という立場。組織制度というハードの話じゃなくて、運用面のソフトの問題であると。あるいは現状肯定もアリだ。「別にうまくいってるじゃん」と言うのは意外に強そう。ここ数年で来日観光客は増えてるしね。あとは単純に組織変更のコストを問題視する手段もあるな。ま、そんなところですか。
ま、しかし色々と難しい問題でありますよ。「縦割り」という日本の行政が抱える相変わらずの問題がベースにあるわけですが、それって「利益が相反するものに対する決定をどうするか」という本質的な問題があると思うのですな。一方が得する反面、一方は損をする。そういう決定をどこがやるのか。これはなかなか難しい。シンプルな話、北海道の観光客が増えると、どこかの観光客は減るのですよ。よっぽど日本の人口が増えたり、1人あたりの旅行回数とかが増えない限りは、パイの大きさは変わらんから。だからこそ「どこにも肩入れしない」という消極的なことになりがちなわけですが、国としてのトータルの利益を考えると「デメリットがある地域はあっても、やるべきだ」という話もあるはずなんですよ。そういう積極的な政治決断をする。それができるシステムにする。それがあっての組織論じゃないでしょうかね。
ただ、個人的な感想としては、これは組織論ではなくて、リーダー論の問題の方が大きいような気は致します。全体の利益を考えて「お前、犠牲になれ」と言えるリーダーがいるか。そういう決断を諒とできるか。ここにかかっている気がしますな。そしてそれは官僚じゃなくて、選挙で選ばれた政治家の仕事でねえかと。そう思ってならねえです、はい。