(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

吉本興業は吉木工業とかが出現したときにネタで済ましてくれるのだろうか

白い恋人」の石屋製菓が、「面白い恋人」の吉本興業を提訴っていうニュースがあったわけですが。

この件に関しての吉本側のリリースが素晴らしい。

弊社は、吉本興業なりの「笑い」と「ユーモア」が詰まった商品を数多く世に送りだし、これを手にしたお客様、その商品を贈ってもらった方全てに、小さな笑いと笑顔を持ってもらい、心を明るくしてもらいたい、それを、一つの地方から日本全国に広げていきたいという思いを持って商品開発に取り組んでまいりました。
面白い恋人」には、このような弊社の思いが詰まっております。

http://www.yoshimoto.co.jp/cmslight/resources/1/96/111129.pdf

超訳すると「ネタだから、許せ」ということだと思うんだけど、そもそもネタにされていることが問題なわけで、ええ。

島田社長は「いくら何でも悪のりしている。こういうことがまかり通るなんてびっくりした。全然面白くない」と憤った。

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20111129ddm012020152000c.html

お笑いになっているどころか、怒らせているという。
で、この話の「ネタだから」って部分なんですが、そもそも論としてこれは芸人間だけの論理なんだよね。お笑い人の間だけで通じる話。「お笑い」自体がM-1なんかの影響で一般化したことにより、なんか普通の生活にも入り込んでいるけど、一般の次元じゃ通じない話。
ではなんで芸人の間では「ネタだから」が通じるかというと、「ネタになる」「ネタにされる」ってこと自体が芸人にとっては利益になること。笑いがとれる。おもしろいと評判になる。そして次の仕事にはねかえってくる。「いじられる」ことは「いじられない」ことに比べメリットがある。だから芸人はネタにされることを好む。
でも、一般人は必ずしもそうじゃないよね。利益につながらない。いや、まあ利益につながるならいいよ。認めるでしょうよ。例えば「とんねるずのみなさんのおかげです」の「きたなトラン」とかで取り上げられれば、客は増えるわけだし。収入に跳ね返ってくる。こういう形ならおk。いじられ甲斐があるってもんじゃないですか(そういういじられかたをされるのが好きかどうかは別として)。
で、この件。石屋製菓側にとっておもしろいことが何もないよね。利益がない。吉本にもっていかれてる。ほっとけば、石屋製菓側がパクっているような印象にもなりかねないし、二次、三次でパクられるリスクが上がる。まあいいことない。損ばかり。勝手にいじられて、おいしいところはすべて持っていかれて。え? そんなのあり?
ネタとしてやるんなら、いじる側に利益がなければ成立しない。
芸人同士でもそういうもんだと思うけどな。まして相手が芸人じゃないんなら、そこんとこはうまくやらんとな。それこそ企業としての法令遵守の精神的に関わる話だし。ええ、コンプライアンス
しかもコンテンツでメシを食っている吉本が、そこを甘く見ているという。自分とこのグッズに類似する商品を「吉木工業」という会社が勝手に売ってたら、シャレで済ますのかなあ。笑いとユーモアがつまっているんだから、許してくれよな。