(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

強制加入オプションの存在を聞いて、格安ツアーの免税店を思う

auiPhoneについて。
5sを買うときに強制加入オプションがあるということが話題になっていたが、そういえば心当たりがある。

auiPhone5の場合です。
iPhone5を契約するに当たって、以下の条件を(やんわりと)突きつけられます。

  • auスマートパスへの加入
  • テザリングオプションの加入
  • 電話基本パックへの加入
iPhone5購入(機種変更)についての顛末(au編) - それからの日々(やはり備忘録)

自分の場合はiPhone4Sビックカメラの新宿小田急ハルク店でのケース。
アプリを入れろだの、オプション加入だのと言ってきたから断った。なんかフォトフレームをプレゼントで、なんちゃらキャンペーンでとか言ってたかな。
で、俺は「んなもん販売条件として聞いてない」「事前に聞いてないものを言われても困る」「じゃ、他行くわ」と言うことで席を立ったら「お待ちください」というわけで、このオプションの件はナシになった。
それが5でもあり、そして5sでもあると。個人的にはそう解釈している。
でもって強制オプションの話。一般論で言って、事前に販売条件として出していないものを、対面販売の段になっていきなり言ってくるのは、法的以前に信義の問題としてどうよという感はある。
俺みたいに「だが、断る」ができる人間はいいし、「断れる」ことを知っている人もいい。でもそれができない人だっているわけで、それにつけこむ商売のやり方はいかんのではないか。これは「途中解約すればいいですから」ですむ話じゃなくて、そういう面倒を押し付けるのはどうかという話だ。事前告知もなしに。
「いやいや、こういうことでもしないと、利益が出なくて、やっていけないんです」というのが現実のところなんだろうなあ、というのもわかる。販売代理店がもらうインセンティブは少ないと。であるなら周辺のところで利益をいただきましょうと。本体で利益をとらずに、周辺で利益を得ているんですと。そういうビジネス構造なんですと。
しかしながら、そういうビジネスをするのは販売店側とかの都合であって、だからといって販売条件の事前告知もなしに強制オプションをつけていいのかという話だ。それとこれとは別で、そんな事情を人様に押し付けてくんなと。
こういう話であるなら、昔の「0円ケータイ」の方がよっぽど健全。本体はタダです。でも本体分は電話料金に乗っけてます。なので2年間は解約できません。2年未満の解約は手数料いただきます。こういう0円のからくりが示されていただけまともと思える。
似たような話で言えば、格安ツアーでこういうモデルをよく見かける。空港への往来で、必ず寄らされる免税店。あるいはバス内で熱心に勧誘されるオプショナルツアー。ツアー本体は安いが、免税店での買い物やオプショナルツアーからのキックバックで成り立つビジネスモデル。
しかし、こういうのだって今や瀕死でありましてね。

例えば中国は旅行法を改正したんです。

(1)ツアー行程へのショッピング店の組込み不可
(2)現地旅行先でのオプショナルツアーの販売不可

http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0924&f=business_0924_050.shtml

本編のツアーに余計なものを組み込んでくれるなと。
その結果、どういうことになったか。
台湾では。

キックバック収入などを見越したツアー料金を設定していた旅行会社が、その分を上乗せしたため、今年の台湾8日間ツアー料金は7,480人民元(約12万円)と昨年の5,980人民元から25%の値上げとなった。

中国人ツアー客4割減、中国旅行法改正が観光業界直撃 - ワイズコンサルティング@台湾

国慶節連休は本来台湾観光業界にとって中国人ツアー客の書き入れ時だが、交通部観光局の統計によると、昨年(9月30日〜10月7日)の3万3,927人から、今年は連休期間が1日短いこともあるが、4割減の2万157人まで落ち込む見通しだ。

中国人ツアー客4割減、中国旅行法改正が観光業界直撃 - ワイズコンサルティング@台湾

そして韓国。

韓国最大の旅行社「HANA TOUR」は、今年8月と9月にそれぞれ1万1000人と1万人の中国人観光客を迎えた。ところが、10月は観光客が激減し、4000人余りにとどまっているという。さらに、同国の大手旅行社である「MODE TOUR」も8、9月に比べ10月の中国人観光客は半分以下に減っている。国内の旅行社はどこも同じ状況だという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131019-00000001-rcdc-cn

半減ですよね。
ま、携帯電話と旅行を同列に語るのはいささか乱暴かもしれませんけども、本体価格を下げて、周辺で儲けるというビジネスモデルは、本体価格を実情より低く認知させてしまうので、本体価格の上昇局面に弱い。周辺で儲けることができなくなるような商売環境の変化に脆い。現状維持という前提があってこそのビジネスモデルなのですね。
で、iPhoneなんかも、こういうあこぎな商売すると、販売店のためにならないし、キャリアのためにならないし、結果的に中抜きが進んで、「じゃ、アップルストアで買ったほうがいいんじゃね?」になってしまうような気がする。販売店が得するための施策が、販売店の両手両足を縛る。そこに商売環境の変化があれば、もうその商売は続けられないんじゃないの? という危惧を抱くわけですね。
本当は代理店こそがメーカーよりも消費者に近く、こうした部分に敏感でなければならないと思うんだけどなあ。

iPhone 5s/5c 完全活用術 au版

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