(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

都合のいいリベラル

福田康夫新自民党総裁に決まったわけですが、もの凄い勘違い言説が総裁選でまかり通ってましたな。例えばこれ。

福田康夫=融和外交派=リベラル

これ、ウソ。外交姿勢とリベラルかどうかは別の概念だから。強硬外交でリベラルもありうるし、逆に融和外交でも保守もありうる。これは大きな勘違い。
大体、中国とか北朝鮮に対する外交姿勢と、右だ左だとか、保守だリベラルだとか、改憲だ護憲だなんて話はてんで関係ねえんですよ。全部別の分野の信条の話。安倍が「強硬外交・右・保守・改憲」というわかりやすい人間だったから、「外交姿勢とリベラルは別」ということが問題にならなかっただけで、本来はこうしたものを組み合わせて、自分のスタイルが生まれるわけですよ。「融和外交がいいと思うけど、改憲です」とか「心情的には右翼だが、憲法は変えたくない」とか。
喩えるに、こうした政治信条とは「とんかつ屋の組み合わせ定食」みたいなものですよ。サラダは大根サラダか、ツナサラダか。カツはヒレかロース。つけ合わせはメンチかササミフライで、食後にバニラか抹茶アイス。こういうのと一緒。実際は色んな組み合わせが可能で、リベラルがどうかで争ったりするのは実に幼稚な話なんだよね。1箇所で全体の良し悪しが決まるわけねえし。ま、オレみたいなリバタリアンに言わせれば「人の政治信条に良し悪しなんかそもそもねえよ」という話なんだけども。
で、福田がリベラルという話だけど、ヤツがリベラルである根拠って何ひとつねえ。中国と北朝鮮に対して融和外交を志向しとるだけで、それって外交スタイルの問題なのよね。内政的な政治信条がわかるものなんて何一つない。具体的に何をするかなんて話はついぞ出てこないし。本来はリベラルかどうかは「富の再配分をどうしますか?」って話がつきものなんだけどね。格差是正、弱者救済、社会保障拡充とか。そういう話が出てこねえということは、実は「リベラルじゃねえっす」ということなんだよね。
リベラルって都合のいい言葉だけど、こういう横文字には騙されちゃいかんのです。あくまで大事なのは本質ですよ。