(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

うまいものはみんなで食ったほうがうまい

ニコニコ動画著作権対策に乗り出すようで。

ま、ニコニコに上がってる動画のほとんどが著作権違反だからなあ。「音楽」「スポーツ」なんかは既存の映像の転載が多いわけだし、「踊ってみた」とか「歌ってみた」なんてモロだもんなあ。不正使用、不正改編と言われても反論できねえ。「著作権対策やりますよ」としか言えないもんね。YouTubeみたいに訴えられても困るし。
「うちも必死にやってるんですが……サーセン」と。そういうことだよね。
とはいえ、YouTubeもそうだし、ニコニコもそうなんだけど、こういう著作権に引っかかる動画が面白いわけで。MADとか、ウマウマとか、チーターマンとか。元があるものを自由にいじって楽しむ。そうやって出来たものをさらにいじる。そういう悪乗りが面白いんだよなあ。意味のない発展っぷりがいい。
また動画ライブラリとしての機能も見逃せん。オスカー・ピーターソンが亡くなった。昔の動画はねえかと検索すると出てくる。往時を懐かしむ。こういうことが出来るんだよね。もちろんこれは著作権的には問題あるし、タダ乗り(フリーライダー)なわけだけど。でもこういう楽しさとか利便性があってのニコニコなわけでねえ。ここを規制しちゃうとつまらん。

【追記 16:55】
ドワンゴによれば、ニコニコ動画ではこれまでも著作権侵害対策を強化してきており、テレビ番組の動画の投稿に対しても削除する対応をすでにとっているという。

ニコ動がテレビ局に宣言「番組の著作権侵害動画はすべて削除します」

こうやって追加情報を飛ばすってことは、「いやいや、リリースは確かに出しましたけど、今と変わりませんよ」ということなんだろうけどね。著作権者に対するポーズというか。ただ、この問題は著作権違反ということで動画を削除するんじゃなくて、著作権者に対する利益配分ということで解決した方が大人の解決な気がするねえ。ほっときゃ1円にもならない眠っていただけの動画に価値が出てきた。であるなら、その価値をゼロに戻す削除という方法じゃなくて、その価値を分け合う方法を探りあい、価値を高める方法を見つけるほうがよっぽど建設的だわさ。
例えば動画ページの広告収入や、ニコニコ市場の収入の分配とかね。動画をアップしているヤツだけじゃなくて、著作権者にも分配する。テレビ番組の動画の場合、関連DVDを売っている場合も多いわけで。例えばM−1での漫才動画があって、それをきっかけにM−1のDVDが売れた。その場合、DVDの売上は上がるわけだし、販売手数料も上がってくる。そういう広い意味でのアフィリエイトと考えていくとかねえ。書評における小飼弾と考えればいいじゃない。要はソフトは勝手に使われるわ、金は入ってこないわが悪いわけで。
その場合は動画の質を落とすくらいのことは必要かな。やや粗めにする。そうすりゃDVDを買う動機になるからね。「もっときれいな画質で見たい」と。「ニコニコで見れるから、買う必要ねえな」と思われない対策。
書評だって引用の範囲内でやるわけだからね。あくまで一部を紹介する。映画だって音楽だってそう。魅力の一部を抜き出して紹介する。そして全体が知りたい人が買う。試食も視聴もなんでもそう。買いたいきっかけづくりに持っていく。そういう方向性に活路を見出して欲しいと願うばかり。
こういうところも「寄ってらっしゃい、見てらっしゃい」文化が必要だと思うんですけどね。

自分が持っている土地に集まってきたガキを「あっちいった。ここはオレん家だ。どいたどいた」と。そして勝手に紙芝居をやっていたおっちゃんに「人ん家で何やってんだ」とやるんじゃなくて、「おっ、面白そうなことやってんじゃん。仲間に入れてよ」「でもここはオレん家だから、分け前はちょっと頂戴ね」「そのかわり、ガンガン商売していいよ」っていう。「うまいものはみんなで食ったほうがうまい」という鍋思想と言ってもいいな。こう前向きに考えませんか?