(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

サブカルなんて、もうないよ

いいに決まってるじゃないですか! おっぱい!おっぱい!

ただ、理由はねえんだよね。おっぱい好きに理由はいらねえから。
「キミは何故おっぱいが好きなのか?」「そこに山があるからさ」
ってな話ですよ。アイムマロリーですよ。ふくらみの魅力にはかなわんのですよ。
ただ、サブカルへの嫌悪感はなんとなくわかる。

この記事もその延長線上と思われ。ただ、わしゃ「VOW」とかが健在だった「宝島」で育ったし、吉田豪に関しては「kamipro」になるはるか以前の「紙のプロレス」から彼の記事を愛読してるので、サブカルに対する誤解があるように感じる。

サブカル」には実体はないよ

サブカルって「サブ」って言葉がついてるくらいだから、メインカルチャーに対するものとして位置づけられてるんだけど、明確な定義ってないんだよなあ。

クイックジャパンとかhon-ninとか吉田豪とか、大根仁とかリリー・フランキーとか松尾スズキとか、そっち系のサブカル界では最近、何だか妙に真木よう子を絶賛して、盛り上げようとしているわけですよ。

http://owa-writer.com/2008/06/post_160.html

こういう感じで、人物とか媒体とセットで位置づけられてる。

みうらじゅんなんかまさにそうなんだけどさ。
で、本来サブカルって、メインカルチャーじゃないと思っている人たちが、意図的に、自嘲的に呼んだ言葉だと思うのね。
「オレたちはサブカルだからよー」
みたいな。会社員が「オレたちはしがないサラリーマン」って言うのと変わらないレベルの話。
この構図ってオタクとかマニアとかと一緒。
「オレはオタクだから」「オレはマニアだから」
一緒。
ただ、オタクもマニアも、そしてサブカルも実体がない。本人がオタクだと思えばオタクだし、マニアと思えばマニア。同様にサブカルと判断すればサブカルだし、サブカルではないと考えればサブカルじゃない。
サブカルに関してはことに最近は分別が難しいね。メインとサブの境界が曖昧だから。昔はそれでも純然としたマニアの世界があり、サブカルサブカルらしく僻地に追い込まれてた。住所で言えば番外地。なんかよくわからんが人が住んでる。でも番地をつけるほとの場所じゃない。だから番外地。それがサブカル。メインとサブは明確に分かれていたし、その住人も明確に違ってた。だから「オレはサブカルだから」がネタになったし、サブカル同士の会話のタネにもなった。メインがあることで、サブである自分たちの趣味を揶揄することが面白かった。
でも最近はサブがメインになりうる。住所区分は細かく番地分けされ、番外地じゃなくなった。人はあちこちに分散している。ことにネットの影響は大きいな。テレビ・新聞・雑誌などの既存メディアと違い、自分の興味をダイレクトに検索できる。既存メディアでは、サブはサブとしての扱いしかされないが、ネットではそれだけを集めた世界を構築できる。世間ではサブでも、自分の世界ではメイン。ネットの世界においてサブもメインもないんだよね。サブ的な言葉で検索した結果は、そのサブ的な言葉がメインとなった空間になるわけだからさ。
なわけで、もはやサブカルって言葉に意味はないと思うんだよね。でもサブカル的なものはなくならない。あるものを分析したり、言葉をぐりぐりひねくりまわして書くのは楽しいことだし、世間で知られてないものを表に出そうという試みは楽しいし、「みんなとオレは違うんだ」という思い込みは一種のアイデンティティーになりうるから。楽しいんだよ、サブカル的なものって。

かわいいは正義」とか「おっぱい!おっぱい!」とか言ってる連中の方がマシ、というより本心というか、根っこの感情はそういうものなのに、なんか御託というか理屈というか、格好付けた言い訳なしで、可愛い女の子を可愛いといって喜べない連中って、本当に心の底から格好悪いなと思うんですよ

「○○は好きだけど、○○を好きという連中は嫌い」 - 昨日の風はどんなのだっけ?

こういう気持ちはわかるのね。単純に楽しめばいいじゃんと。ま、オレもそういう考えで、だから「おっぱい!おっぱい!」なわけですが、複雑にああだこうだ言うのはそれはそれで楽しい。
古いサブカル関係者にはプロレス好きが多いってそういうところだと思うんだよな。冷静に考えれば八百長なんだけど、その試合の背景とか展開とかを裏読みするのが楽しいわけで。
「あの技にはこんな意味がある」「あれは次の展開に向けた伏線だ」「本当はこういうことを言いたかったはず」
こういうのをグダグダ考えるのって楽しい。一方、WWEみたいな単純に見て楽しむ世界もある。つまり物事の楽しみ方には両面あるので、そこは都合よくやってけばいいんじゃないかと。理屈をこねくりまわして遊ぶのと、単純に遊ぶ。それは人それぞれで、どっちも楽しいことなのですよ。

個人的には、アイドルにしても何にしてもサブカル界からのスノッブな支持はある程度必要だと思います。支持の対象になる人達にとっては、ただミーハーからばかりの支持ではイマイチ手応えは感じられないんじゃないでしょうか。ミーハーもいて、何かもっともらしいことをもっともらしく語ってくれる人もいて、そのバランスが丁度良いところが一番居心地もいいし、人気も安定する。

2008-06-17 - 電気じかけの三日坊主

理想はこういう両立よね。現代はもはやメインもサブもないんだから両立できると思うよ。少なくても鉄ちゃんの世界はそうなったし。ちょっと前まではそれこそマニアの典型の世界だったし、サブカルだったわけだからさ。
現代はサブカルのない時代。個人個人のメインカルチャーを決められる時代。サブカルにはもはや実体はない。けれどサブカル的なものは存在し、これからもあり続けるというのが結論。単純な楽しさと複雑な楽しさは共存できるしなあ。ま、自分の立ち位置の反対側はうざったく見えるってのはあるだろうけどね。
以上、お粗末さまでした。