(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

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吉野家の作法

牛丼の食べ方と言ってもいろいろありますわね。自分はノーマル、普通だと思っていても、実はレアな食べ方だったり。現につい最近まで「つゆだく」なんてのも、通な頼み方で、一般には知られてない注文だったわけで。このあたり、実は華原朋美は偉大だったりする。吉野家は少し感謝すべき。*1
実際、俺が知ってるだけでもこんなのがある。

牛丼を食べた分だけ紅生姜イン

牛丼をデフォルトのまま一口食べるでしょ。するとそこに空間ができますよね。そうしたら、その空間を紅生姜で埋めるんです。穴をふさぐように。パテで埋めるように。で、また一口食べますよね。紅生姜入れますよね。で、最終的にはハーフ&ハーフを作り上げるんです。
(右:牛丼 左:紅生姜)
みたいな。
そうなると「牛丼の付け合せの紅生姜」なのか、「紅生姜のつけ合わせの牛丼」なのかよくわからんし、ややもすると「牛丼入り紅生姜じゃねえか?」という疑問もわいてくるわけですが、とにもかくにも生姜なんです。紅生姜なんです。

紅生姜は汁

「いやいや、俺はそんな変なことはしねーよ。俺は汁入れるだけだよ」
と反論してきたヤツもおります。
「……!! し……汁?」
ヤツ曰く、「紅生姜は汁だろ、汁。普通入れるだろ」と。もちろん「入れねえよ」と光速突っ込みを返したわけでございますが、件の紅生姜ハーフ&ハーフ氏が真っ先に「そんなのありえないだろ」と言ってたのが印象的でしたね。いやいや、オマエもだから。オマエもありありえないから。
さすがに吉野家で、あの紅生姜の容器を持って、汁をかけてるヤツを見たことないぞ。でも、それがうまいらしい。ふうむ。キミはチャレンジャーだな。

お新香も合える

しかし上には上がいる。チャレンジャーは紅生姜だけでは我慢しない。さらにそこへお新香を加える猛者がいる。
「へっ? お新香は牛丼の合間にポリポリ食べるもんじゃないの?」
という疑問もなんのその。そやつは牛丼にドカッと投げ入れ、紅生姜とともに混ぜる。混ぜて食う。
「歯ごたえがたまんねえんだ。紅生姜とお新香のポリポリ感が」
そうですか。

味噌汁は混ぜない主義

紅生姜ひとつでこういう感じなのですから、戦線を広げるといろいろなヤツが出てくるわけです。中でも印象的なのが味噌汁の飲み方。吉野屋の味噌汁は粉末インザお湯タイプであり、手元に来たらハシでちゃちゃっと混ぜて飲むのがまあ一般的なわけですが、あるヤツは違うのです。
「俺は混ぜない。混ぜない上澄みがうまい」
上澄み? ホワイ?
何でも塩分は底に沈殿すると。粉部分が下に行くと。そうなると、上の部分にダシっぽい層ができる。そこがうまいのだと。お吸い物気分も味わえると。
ただ問題がありまして。
「そうなると、底に粉が残るじゃん。塩辛くならね?」
当然の疑問ですな。
「そうなんだよ。濃いんだよ。何とかならねえかなあ」
ならねえだろ。

卵すき焼き派

あと牛丼のオプションといえば卵。生卵なわけですが、俺はちゃちゃーっと混ぜて牛丼にかける人なんです。で、そういう人が周りに多いんで、そういう食べ方が普通とばっかり思ってましたが、やっぱりいるもんなんですね。違う使い方の人。
何かね、すき焼き的な使い方をする人が結構いるんですよ。牛丼の肉とか玉ねぎを卵に漬けて食べる人。これが一定数いる。
「でもさ、その食べ方なら丼にする意味なくね? 米と肉を分離させて、セパレートで食うわけじゃん。牛皿でもよくね?」
とまあこう思うわけですよ。最初から別盛りでいいじゃんかと。もうすき焼き定食じゃんかと。牛すき鍋定食とどう違うのかと。
「ダメだ。丼だからいいんだ」
かたくなです。訳わかりません。

ダブル卵

ま、もっと凄いヤツもいるんですけどね。「牛皿でもよくね?」「それ、牛すき鍋定食じゃね?」に対抗するソリューションを考え付いたヤツがいるんです。
「肉をセパレートで食べるのは食べるとして、卵をもう1個頼み、それを丼にぶっかける」
その発想はなかったわ
吉野家の牛丼ひとつとってみても、人それぞれですのう。

*1:「笑っていいとも」にて牛丼のつゆだくが好きと発言したことがある。