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カタンジャンキー

今、一番ハマっているのが、「カタン」。「カタンの開拓者たち」というゲーム。これが狂おしいほどおもしろい。

カタンの開拓者たち / The Settlers of CATAN (※「日本語説明書」は付属していません)

カタンの開拓者たち / The Settlers of CATAN (※「日本語説明書」は付属していません)

ポータブル カタン

ポータブル カタン

「ゴキブリポーカー」「ボナンザ」とかのアナログゲーム、カードゲーム、ボードゲームに絶賛大ハマリ中なのだが、その中でも「カタン」はずば抜けて中毒性が高く、やるたびにその奥深さに吸い込まれておるのですよ。なかなかおもしろい。

受賞歴

  • 1995年 ドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)大賞
  • 1995年 ドイツゲーム大賞(Deutscher Spiele Preis)1位
カタンの開拓者たち - Wikipedia

いやはや、さすが大賞受賞作。飽きのこないゲーム性。まったく同じ局面はほとんどないと言っても過言ではない奥深さ。そして対人ゲームならではのドキドキと、感情の揺れ動き。生身の人間同士が戦うからこそ、こういうゲームはおもしろいのでありまして。負けず嫌いが集まると、なかなか生々しい戦いになるんですよ、奥さん。「オマエとはぜってえ取引しねえ」みたいな言葉が平然と出ますからねえ。感情は理屈を超えるんです。

ま、こんなゲームなんですけどね。「カタン島」って島で戦うゲームなんです。島のあちこちで資源が出る。どの資源が算出するかはサイコロの目によって決まる。

  • 粘土
  • 羊毛

この5種類があるんだけど、サイコロを振って、その数値がある盤面の資源が出るしくみなんですね。この画像で言えば、8が出ると右上の木と、左下の鉄が算出される。で、この場合ではともに青の人が隣接して家を建てているので、青が木材1枚と、鉄2枚を受け取る。
でだ。この手持ちの資源の組み合わせで道がひけたり、家をつくれたり、街に発展させたりできる。あるいはチャンスカードを引くことができる。

  • 道(木1枚・粘土1枚)
  • 家(木1枚・粘土1枚・羊毛1枚・麦1枚)
  • 街(麦2枚・鉄3枚)
  • チャンスカード(羊毛1枚・麦1枚・鉄1枚)

こんな感じ。で、家とか街とか、あるいはチャンスカードなんかで引いたポイントの合計が10点に達した人の勝ち(例:家1点、街2点)。まあ、簡単に言ってそういうゲーム。1回やればすぐわかる。そこまで複雑なルールではない。
ところがところが、これがなかなか奥深いのです。

サイコロの目に影響される

ひとりひとり順番にサイコロを振り、自分の家が接しているところであれば、誰が目を出しても資源を受け取れるわけですが、とはいえ、サイコロという運頼みの要素があるので、サイコロ次第でバカスカうまくいくときもあるし、まったくダメということもある。長期的には確率論に集約されるはずなんだけど、確率に歪みがあるのがまたゲーム性のわけで。
盤面には2・12が1ヶ所ずつ。それ以外は2ヶ所で、7だけ何もない土地扱い。サイコロの目の出方を確率的に考えると、7が一番出やすくて、次に6・8。続いて5・10……となるわけですけど、意外と6が出ないとか、11が連発するってケースもあったり。
戦略的な部分も重要だし、勝つためのセオリーもあるんだけど、運という揺らぎの要素がある。

資源に偏りがある

各資源が出る場所の数は一緒じゃないのです。

  • 3ヶ所……粘土・鉄
  • 4ヶ所……木・羊毛・麦

粘土と鉄が貴重になりやすいんです。

土地とサイコロの目の設定がランダム

さらに言うと、プラスアルファ、どの位置にどの資源の土地が来て、どういうサイコロの目の組み合わせになるかはまったくのランダム。粘土・鉄は3ヶ所だから出にくいわけですが、たとえばその3ヶ所が「5・6・8」とかになると、3ヶ所だけど出やすくなるので、場に余る。逆に3ヶ所しかないのに「2・11・12」とかになると、場所が少ない上に、出にくい目になるので供給不足に陥りやすいと。こういう組み合わせで展開がまったく違ってくるわけなんですね。
しかしこれは確率論なので、実際はわからない……。と、ランダム性と、戦略的セオリーと、現実のサイコロの目。このバランスがいいのです。

初期配置から戦いがはじまる

ゲーム開始前に、各自2ヶ所ずつ家を立て、そこから道を1本ずつ引くんです。有利不利がないように「1→2→3→4→4→3→2→1」という順番で置いていくんですが、ここが実は一番おもしろいところで。

  • 3ヶ所しかない粘土・鉄(希少性)
  • サイコロの目の出やすさ(生産力)
  • スペースの広さ(発展性)

まあこんな要素があるわけですね。まあ、とりあえずは出やすそうな土地のまわりに家を置くわけですが、そこは他の人も狙っている。密集する。ならばあえてそこは捨てて外側に行こうとか。あるいは目は悪いが、あえてこの資源を抑えておこうとか。いろいろな戦略性がある。

道・家でいくか、街・チャンスカードでいくか

まあ、はやい話が木・粘土でいくのか、麦・鉄でいくのか、という戦略の違いがあります。木・粘土がないと道がつくれない。で、家は道の先にしかつくれないので、道をひけないとつくれないし、どっちみち家にも使うと。だから粘土・木を最初集める。
一方、鉄は道にも家にも必要ないけども、街をつくるときに3枚もいる。家が街になると生産力が2倍になって、街が接しているところのサイコロの目が出ると、資源が2枚もらえるようになる。
道をひいて、家を建てて開発していくか、街をつくって生産力を上げていくか。一般的には最初は道をひき、家を建て、資源がとれる確率を上げていくのがいいわけだけど、みんな同じことを考えていれば妨害されるし、狙い通り木や粘土が手に入るとは限らない。
このあたりは初期配置からの絡みがあり、どういう方針でいくかと密接な関係があるんでやす。

交渉と港

そしてここもポイント。このゲームでは他のプレイヤーと交渉ができるんです。「あと羊毛があれば家ができるのに……」という場合、自分のターンで交渉もできる。「麦やるから、誰か羊毛ちょうだいよ」みたいな。あるいは同じ資源4枚を好きな資源に換えられるし、外周部分にある港に家を建てると、「?」とある3:1の港では、同じ資源3枚を好きな資源に。そして資源の絵があるところだと、その絵の資源2枚を好きな資源に換えられる。
バランスよく資源が得られるように初期配置して、得られた資源に応じて行動するのも手ですし、あえて偏るように配置して、ない資源は交渉や交換でまかなうと。そういう考え方もあります。特に場に出てない資源は供給不足になるので価値があがる。「誰か鉄をください」という交渉が出たときに「木と粘土、両方1枚ずつならいいぜ」みたいな強気な交渉に出ることもありなわけですな。
ただ、もちろん交渉が成立するってことは、自分にメリットがあるものの、当然に相手にもメリットがある。自分の手も進むが、相手の手も進む。相手の手を進ませてでも自分が行動すべきか。または……? なかなか難しい。

盗賊の存在

7の土地がないのですが、これには理由があって、7が出ると盗賊を動かせます。どこかに土地に盗賊をおける。そしてそこに隣接する家の持ち主から、資源を1枚奪える。
同時に重要な効果として、盗賊が置かれた土地からは、資源が出なくなるんですね。そのサイコロの目が出てもなし。チャラ。なので「6・8」みたいな出やすい目のところに置くのがセオリーですが、「あいつ、鉄ばっか持ってたな。よし、ヤツから鉄を引いてやれ」みたいな感じで狙ってもいいし、自分以外の3人が家を建ててある土地を狙ってもいい。あるいは、自分が粘土は3ヶ所しか出ない。自分は2ヶ所を押さえてある。もうひとつの粘土を潰して、粘土の希少性を上げてやれ、とか。ま、考え方いろいろです。

「6・8」がいいとは言えない?

なので、確率論的に「6・8」が最も出やすいので、盗賊を置かれるリスクも高まるわけです。なので、初期配置であえて「6・8」に置かないという考え方もありなわけですね。「5・9」の方が目立ちにくいと。そういう考え方。
但し、みんな同じことを考えていると争奪戦になって、逆に「6・8」の方に家が建たないとか、盗賊が来ないとか。そういうことがあります。

対人だからこそのおもしろさ

基本的に4人対戦なので、自分以外にプレイヤーが3人いる。なわけで、頭脳の数は自分より他人の数の方が多いわけで、人の考えによって自分のとった戦略の妥当性が左右されてしまうわけですよ。セオリーが通用しない。あてが外れる。裏をいったら裏ではない。妨害される。対人ゲームならではのこと。
確率論で言えば、3ヶ所しかない粘土や鉄は抑えた方がいいし、なるたけ出やすい目の土地が欲しい。いろんな資源にまたがって家を置いた方が戦略の幅が広がるので、有利になりやすい。こういうことが言えるわけですが、まあ、みんな同じことを考えているわけで、その考え方が正しいとは限らんわけです。サイコロの目に左右されますし。盗賊を置かれまくって資源もらえないとか。

  • 初期配置
  • サイコロの目
  • 他のプレイヤーの戦略

こうした要素にいくらでも左右される。それがカタンの奥深さになっているわけですよ。飽きない。飽きないどころか、やるたびにハマっておる次第。
というわけで、カタンがあるのなら、どこにでも出かけていくぞ状態であります。是非対戦しましょう。弱いので安心よ。