(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

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タケルンバのドミニオン戦略 - その3 アクション・ドロー・Buy・仮想コイン

はい、ドミニオン記事の第3回ですよ。

ドミニオン (Dominion) 日本語版 カードゲーム

ドミニオン (Dominion) 日本語版 カードゲーム

ドミニオン拡張セット 陰謀 (Dominion: Intrigue) (日本語版) カードゲーム

ドミニオン拡張セット 陰謀 (Dominion: Intrigue) (日本語版) カードゲーム

ドミニオン拡張セット 海辺 (Dominion: Seaside) (日本語版) カードゲーム

ドミニオン拡張セット 海辺 (Dominion: Seaside) (日本語版) カードゲーム

前回は勝利点カードと宝物カードを扱ったので、次はアクションカードと思ったのですが、その前にアクションカードの主な効果である「アクション」「ドロー(カードを引く)」「Buy」「仮想コイン」の4つについての考えを書きたいと思います。

アクション(Action)

アクションカードを使うことができる回数。基本的に1か2で、なければ0。この数字によって取り扱いが変わる。

0アクション

ほとんどのカードはこれ。効果が生じて、そのターン終了。
ということは、0アクションのカードが複数手札にあった場合、他に2アクションのカードがない限りは、両方は使えないということ。どちらか一方しか使えない。
なので、このカードをあまり数抱えるのは考え物。手札に被ったときのロスが大きく、使わずに捨て札行きになる。それなら確実に使える銀貨の方がマシというケースが往々にしてある。
なので0アクションのカードを多く抱える場合は、2アクションのカードが必須だし、2アクションのカードがあまりない場合は、あまりデッキに入れる意味がない。手札5枚の中に1枚入れば十分なわけだから、アクションとドローの両方があるアクションカードを除いた「実質デッキ枚数」の5分の1程度あれば十分。デッキ20枚なら4枚がいいとこ。ここが限界値。それ以上あると、手札に被る可能性が上回る。宝の持ち腐れ。

実質デッキ枚数

ここで妙な言葉を使ったので補足。「実質デッキ枚数」について。
自分は1アクション・1ドローのような、アクションとドローの両方があるアクションカードを、デッキ枚数の計算には入れない。こうしたカードを除外した「実質デッキ枚数」で判断している。
例えば市場(MARKET)とかスパイ(SPY)のような1アクション・1ドローのカードが手札に5枚あったとしても、すべて使え、すべて交換できる。1枚使って1枚手に入るからいってこい。なので、こうしたカードが何枚あってもデッキの枚数は実質上増えない。
研究所(LABORATORY)の場合は、1アクション・2ドローなので、実質デッキ上は、マイナス1枚で計算する。1ターン目に研究所を買った場合、カード枚数は11枚で7金となり、1枚あたり0.64と価値が下がる印象があるけども、研究所は確実に2枚と交換できるので、実質上は9枚で7金、0.78という取り扱いをする。研究所は事実上、圧縮カードと解釈してる。
また寵臣(MINION)はドローはないが、1アクションある上に、4枚交換の効果も選べるので、これも実質デッキ枚数を増やさないカードという解釈。ただし交換なので、実質デッキ枚数のマイナスはしない。寵臣以外のカードを使用できずに交換となるため、マイナスをすると効果を高く見積もりすぎてしまうので。
尚、貧民街(SHANTY TOWN)、共謀者(CONSPIRATOR)、貢物(TRIBUTE)は、実質デッキ枚数を増やさないアクションカードとなるかどうかは運とか展開次第の側面があるので、普通に1枚でカウントする。運に左右される要素を数字に反映させたくないのでね。条件を満たしたらラッキーくらいな程度で。
実質デッキ枚数が増えないカードはこれら。(括弧内はコスト)

  • 手下(2)
  • 村(3)
  • 大広間(3)
  • 願いの井戸(3)
  • スパイ(4)
  • 鉱山の村(4)
  • 市場(5)
  • 研究所(5)
  • 改良(5)
  • 寵臣(5)
1アクション

アクションカードを使い、さらに1回。ということは、1アクションのカードを使い続ける限り、継続して行動できる。アクションが継続する限りは、そのターンが終わらないので、なかなか効果が高い。
ただ、もう1回アクションが増えても、手札に他のアクションカードが増えないと意味がない。なので、ドローを伴わないとジリ貧。地下貯蔵庫(CELLAR)なんかはカード交換ができる便利なカードなんだけども、ドローがないので、使えば使っただけ手札が減っていく。地下貯蔵庫以外のカードがすべて使えるカード且つアクションが0の場合、地下貯蔵庫を使わずにターンが終わってしまう。
そういう意味で研究所は1アクションの上に2枚引けるので、ターンが継続する可能性が高く、コストに見合った活躍をする。複数持っているとかなり強い。
またドローを伴うアクションカードの場合、デッキが実質上厚くならないし、市場や手下(PAWN)なんかは仮想コインもあるので、使っても手札が減らず、アクションも継続し、コインは積みあがるというおいしいカード。盗賊(THIEF)がある場にも強い。
1アクション・1ドローのアクションカードは、とりあえず集めておいて損はない。ただ、アクションが余計に増えないので、1アクションのカード枚数以上にはアクションカードを使えない。アクションの発展性は欠ける面がどうしてもある。「とりあえず」ではあるものの、「とりあえず」以上の効果はない感じ。決定力足りえないよね。

2アクション

アクションを増やすありがたいカード。これがあればあるほど行動回数が増える。結局1ターンで使えるアクションカードの枚数は、このカードの枚数で決まる。基本的にはこういう形。

  • 2アクションカードの枚数−1=アクション最大回数

3枚あれば1ターンで4枚まで0アクションのカードを使える。ターンの最大行動力を決める数値がこれ。手札に入れるアクションカードは、この数字を考慮に入れる必要がある。たくさんアクションカードがあっても、どうせ使いきれない。アクションカード過多の状態を避けないとね。
なので、アクションカードを使いまくる展開が望みなら集めなくてはならないし、相手プレーヤーのアクションカード祭りを避けるためにも、機先を制してとっておきたい。自分が取らなきゃ相手が取る。相手が取れば自分が来る。それが対戦ゲームでありましてね。ま、そのあたりの駆け引きがおもしろいわけで。
ただ、当たり前のことながら、このカードをいくら集めても、それ以外のカードがないと何にもならない。アクション回数を増やしても、他のアクションカードが有効に使えてナンボ。
そういう意味では、とりあえずドロー系のアクションカードは必要で、これで新たなアクションカードを補充することでアクションが継続する。鍛冶屋(SMITHY)はやっぱりコンボの友よね。
またドローに頼らない場合は図書館(LIBRARY)がいい。祝祭(FESTIVAL)のようなアクションが増えるものと、ドローを伴わないカードとは相性がとてもいい。7枚まで一気に補給できる。
2アクションと0アクションのカードをどう組み合わせて使うか。ここにアクションカードの妙味があるような気がしますね。

ドロー

カードを引ける枚数。これが多いカードはやっぱり強いですよ。序盤にあると高価なカードに手が届きやすいし、2アクションのカードを組み合わせることで、終盤まで活躍の余地がある。
例えば銀貨・鍛冶屋でスタートした場合、12枚で9金となり、1枚あたりの価値は0.75となるわけですが、鍛冶屋を引いたターンは3枚引けるので、手札は7枚。つまり0.75×7で、5.25。確率上コスト5のカードが悠々手に入るし、引いた3枚がすべて勝利点カードだったとしても、最低4金はある。あまり食いっぱぐれがないわけですよね。リスクコントロールできる。いいですよね。
問題は議事堂(COUNCIL ROOM)。4枚引ける。こりゃでかい。0.75×8できっちり6。勝利点カードを3枚引いても、最低5金。こりゃかなりウハウハ。
しかし難点は他のプレイヤーも1枚引けてしまうこと。相手が利する要素がある。自分がプラス4枚でも、周りもプラス1枚なので、他のプレイヤーに対する実質的メリットは3枚。実質的な効果は鍛冶屋と一緒。
なので、議事堂を使う場合は次のケースに限られるような。

カード1枚あたりの価値が他のプレイヤーより、自分が高い

この場合、カードを引けば引くほど自分が得をする。相手にカード1枚渡しても、自分にはそれ以上の見返りがある。相手プレイヤーが庭園戦法などでデッキを厚くする作戦に出ている場合などに有効。

スパイで次の1枚をコントロールできる

次の1枚がわかれば、あまり怖くない。勝利点カードが行くとわかれば、安心して議事堂を使える。

民兵(MILITIA)につなげられる

2アクションカードなどを使って民兵を使える場合、議事堂で1枚増え、6枚になったとしても、結局そこで3枚に戻さないといけない。増やしたカードが帳消し。

寵臣につなげられる

同様に寵臣でもいい。こちらは4枚交換。そして民兵よりいいのは、こちらは全とっかえであること。民兵は任意のカードを捨て、3枚にするので、重要なカードが残せるが、寵臣は強制交換。「選りすぐりの」という意思が入る余地がない。なので、実は民兵より寵臣の方がコンボとして有効。
他にあるとしたら、初手2-5スタートで、場にコスト5のめぼしいカードがない場合くらいかなあ。まあBuyも増えますし、金貨にも届きやすいので、スタートダッシュをかければいいんじゃないかと。ターボブースターと割り切る。周りに銀貨を買われても、自分が金貨を買えるならいいやと。そういう割り切り。
あと2ドローのカードですが、2ドローであれば銀貨の方を上に見ます。10枚で7金の状態でスタートするわけで、最初は1枚あたり0.7金の価値があるわけですが、鍛冶屋なら0.7×3で2.1の価値がある。銀貨より上。一方、2ドローならば1.4止まり。2アクションとつなげたり、ドロー以外の効果に期待するならともかく、ドロー効果に期待するなら、素直に銀貨を買った方がいいような気がしますね。
ドローの注意点ですが、0アクションのドローの場合、引いておしまい。アクションカードを引いたとしても使えない。なので、ドローして引きたいのはコインであり、アクションカードじゃない。なので山札にアクションカードが多く、コインが少ない場合は、ドローカードを使わない方がいい場合も多いです。グッと我慢し、次の手札に期待する。特に山札の残り枚数が4枚以下の場合、山札の枚数以上をドローしてしまうと、そこで捨て札がシャッフルされるので、このターンで買ったものがデッキに入るタイミングが1回り分遅くなる。
買ったカードをすぐ使うためにも、ドローしない方がいいです。ドローしてアクションカードを引いてしまったら、このターンで買ったカードはしばらくデッキに回らないし、同時に使えなかったアクションカードともしばらくお別れ。ダブルパンチでメチャ痛いのです。

Buy

カードの購入回数。基本は1回だけど、これで増やせる。とはいえ、カードの購入回数を増やしてもそんな意味がない。購入回数が増えることで得をするのは3パターンしかない。

安価なカードを複数購入したい場合

5金で地下貯蔵庫・村(VILLAGE)とか。あるいは手下・手下で仮想コインを積み増しにかかるとか。序盤にアクションカードを増やしたい場合は結構ありますよね。
あるいは終盤に3山切れを狙う場合。コスト2のカードを山のように買って、一気に終わらせるとか。

ターン終了時のコインが8金を超える場合

通常は1枚しかカードを買えないので、8金あろうと16金あろうと、属州は1枚しか買えない。これがBuyを増やすことで、2枚購入を可能にする。
オーバーコイン状態を解消することができる。

庭園戦法

カードの枚数を増やしたいわけで、その方法としてBuyを増やすのは手っ取り早い。Buyの数だけ銅貨を増やす簡単なお仕事。
あとは特に気にしなくていい要素ですよね。属州を狙う場合、どう考えても1ターンで4枚買いまでは考えにくいので、3Buyで十分。24金で属州3枚買いは見たことあるんで。

仮想コイン

アクションカードを使うことで、このターンのカード購入時のコインに上乗せがある。非常にうれしいお得なアクション。ただポイントなのは、アクションとして使ってはじめて効果があること。手札にあるだけじゃ意味がない。使ってナンボ。
なので、アクションを伴う仮想コインは非常に使いやすく、買っておいて損はない。アクションを継続できるので、仮想コインを得て、さらに他の行動もできる。二毛作、三毛作の気分。1アクション・1ドローで仮想コインを生み出すカードは、デッキを厚くせずにカード1枚あたりの価値を高めてくれるので、非常にいいですよね。重ねがけできるし。場合によってはコインをすべて処分して、仮想コインだけのお買い物だけでもいけるくらい。盗賊に盗まれるものがないので、盗賊アリの場で有効ですし、盗賊アリでも圧縮戦法をとりやすいですよね。
逆にアクションを伴わない仮想コインはそれでターン終了になる。ちと使いづらい。また、0アクションのカードを使い、そのドローの結果仮想コインのアクションカードを得た場合、使えずに終わるので損する。0アクションのドローカードとは相性があまりよろしくないような。
ただ、0アクションの仮想コインカードは、序盤に結構効くし、仮想コイン以外の効果にも見るべきものがあるので、初手で手を出すにはいいかも。
その場合の損益分岐は、やっぱり2金。1金の仮想コインであれば、素直に銀貨でいい。2金で銀貨と同じ効果を得た上に、尚且つ他の効果があるから銀貨よりお得なのであって、1金の効果なら中途半端。中盤では有効だけど、初手で取るべきではないし、初手でやるならもっと銀貨というコスト的にも優れたカードがある。無理にアクションカードにする必要はない。仮想のコインにするより、リアルなコインにすればいいのだ。
個人的には初手の民兵とか、詐欺師(SWINDLER)はかなり好きですね。他のプレイヤーを妨害した上に、自分だけプラス2金。かなりおいしい。
あるいは宰相(CHANCELLOR)とか。買ったカードをすぐデッキに回せるので、初手に買うとかなりお得。先に買えば買うほどスタートダッシュにつながる。
ただ、被るとどっちかしか使えないので、初手では1枚まで。あとのもう1ターンは銀貨にしたいです。民兵・詐欺師と買って、次のデッキ1周で被らずに使えれば強力ですけど、被ったら威力半減なので。こういうロスはなるべく避けたい弱気な男、それがタケルンバ
はい、これでアクションカードの主な効果についての話終了。次はいよいよ個別のアクションカードについて。思いのほか大作になってもうた。いつ終わるんや……。