（旧姓）タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

きっかけこそが価値

昨日、Twitterのリプライ発言に関する仕様変更が話題になりまして。

結果的に見直しを検討するようになったわけですが。

反響は大きかったし、個人的にもこりゃ困った仕様変更だなあと思っていたところ。元通りになってくれた方が良い気がしています。

どういう仕様変更だったのか？

この件についての自分の意見を書く前に、そもそもこれがどういう仕様変更だったかの説明を。
「リプライ」とは、他のユーザー宛の発言機能です。俺宛てならば「@takerunba」のように、相手ユーザーのidを「@」に続けて頭につけると。そうすることで、その人宛ての発言と認識することになっています。
従来はフォロー相手のリプライ発言は全部見れるようになっており、それがデフォルト設定。オプションでそれに制限をかけられるという仕組みになっていました。

A・B・Cの三者がいて、AはBだけをフォローし、BはAとCをフォローしている関係があるとします。この場合、AはBがした発言全てを見れるので、Cに対するBのリプライ発言も見れました。Aにとっては全然関係のない、知らない人への発言も見れていたわけですね。デフォルトの設定では。
これが仕様変更によって見れなくなりました。BのCに対する発言は、Cをフォローしていない人は見れない。つまり、CをフォローしていないAは見れなくなる。
自分がフォローしていない相手への発言が、タイムライン上に表示されない。かいつまんで言うと、これが今回の変更点です。

世界の広がりがなくなる

で、ここから仕様変更についての意見。率直に言ってつまらない変更だと思いますね。世界の広がりがなくなる。広がりを生むきっかけを失う。そのために本来Twitterが持っていた可能性が少なくなり、Twitterの価値が小さくなる変更と思ってます。
どうしてそう思うかと言うと、個人的な観測が理由。1月にオフ巡りをしました。西を巡って来ました。そこで実に多くの方と知り合ったわけですが、そのときに出来たのは、会った人と俺との関係なわけですね。あくまで俺とその人の関係。当事者同士の一次関係。けれども、Twitterでやりとりしているうちに、出会った人同士の関係が生まれてきたわけなんです。いわば二次関係が。
俺をフォローしてくれた人は俺の発言を見る。その中にオフ巡りで会った別の人への発言がある。興味を持ったのでフォローしてみる。フォローしたので、いくつかやりとりをする。やりとりをする中で親しくなり、オフ会になる。実際に会う。とまあこんな動きが実際にあったわけなんです、はい。
こういうきっかけの意義って大きいと思うわけね。交友関係の広がりという意味で。俺と関係なく、俺の知り合い同士がつながりあうってステキじゃないですか。友達の友達同士が仲良くなるっていいことじゃないですか。現実であれば、その仲立ちが必要だし、間にいる人間なしでやりとりをすることはあまりないけども、Twitterなら気軽にできる。

フォローした人が楽しそうに話しかけている人は気になる

結局こういうもんだと思うのよね。自分にとって興味深い話をしていれば尚更だし。「おっ、楽しそうな話をしてるじゃん。俺も入れてくれよ」ということになるだろうし、そういう話をしている相手にも興味がでてくるもんでしょ。
またそれによって関係性が広くなり、いくつかのクラスタが融合していくと思うんだよね。趣味の話なんかまさにそうだろうし。自分がフォローしている人が、興味を持っている話題を自分の知らない人としている。そしたらその人に関心持ちませんかね。俺は興味あるね。興味あるから、その相手がどんな人かクリックしてみるし、おもしろそうな人なら迷わずフォローする。

全てはきっかけ

リプライ発言が一部見れなくなるということは、こういう出会いのきっかけを失わしめるだけだと思うのね。世界の広がりがなくなる。話題の合う人を見つけるチャンスがなくなる。
そしてきっかけがなくなることで、その先にある果実もまたなくなると思うわけ。何があるかわからんし、何か得られるだなんてわからんけども、きっかけがなければ、その先もない。可能性を失うということなんですよ。将来利益を発生させるチャンスを失うことなんですよ。
で、Twitterの価値って正にここだと思っているんです。Twitterそれ自体に価値があるんじゃなくて、Twitterが生み出すきっかけに価値がある。Twitterは何かをする場ではなくて、何かをするきっかけをつくる場。孵化器なのよ。何が生まれるかわからんが、とにかく孵化させる。Twitter自体は空っぽで、何が生み出されるかは完全にユーザー次第、展開次第。Twitterはそこに何の意思も差し挟まないし、どこへにも誘導しない。そういうもんだと思っているんだな。
なので、そういうきっかけを失うというのは非常に可能性を狭めるもったいない話だし、そういう価値が減少させるデメリットは多きいだろうし、そういう方向性にTwitterが自ら舵を切るのは残念なことだなあと。そう思っていたわけなんです。

批判は多かった

ただ、既報どおり批判の声は大きいようで。

Twitterの「流行のトピック」欄にもずっと「#fixreplies」が表示されてますし。ま、だからこそ見直しを検討することになったんでしょうがね。
ま、せっかくこういう前向きなきっかけを生む場があるわけなんで、そういう場をTwitter自身が大事にして欲しいですな。そこがTwitterの価値であり、他のウェブサービスとの違いなわけなんで。お願いしますよ、Twitter。