(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

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続・被災地の今を訪ねる(7)

続・被災地の今を訪ねる(6) - (旧姓)タケルンバ卿日記 より続きです。
石巻で朝を迎え、二日目がはじまる。


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まずは石巻市内を見て回る。昨年はあちこちに散見されたマンホールの隆起が修繕されている。地震による地盤沈下の影響が昨年は随所に見られていたのだけれど、さすがにそのあたりは直されたようだ。

しかしながら、河川はどうかと言うと、まだまだ水面が高い。これは実際の川を見てもらわないとわからない感覚かもしれないが、写真で見る以上に水面が高く感じる。違和感を感じる。住宅街のそばにこういう川がある。
海が近く、潮の満ち引きの影響も受ける。大潮の日に大雨が降るなどの悪条件が重なった場合の水害の危険性などは未だ去っていない。そしてこれは石巻に限らず、東日本大震災での被災地全般に見受けられる。

地盤沈下で壊れた橋梁なども多い。南相馬などでは通行禁止になっている橋を多く見かけた。見た目問題はないが、車重に耐えられないと判断された橋梁が多いようだ。だいぶ直されてきてはいるし、仮設の橋が作られたり、対策は急ピッチで進んではいるものの、国道などの主要道路が優先で、住宅地の中にあるような小さな橋にまで手は行き届いてはいないようだ。
続いて国道398号線を走り、女川に向かう。このあたりも津波の被害を受けた地域だが、住宅が物凄い勢いで作られているようだった。
より海に近い国道の南側には新たに建てられている様子はなかったが、道路を挟んで北側には新築工事が集中していた。これは他の被災地にもあまりない光景で、これまでと同じ場所に再び住宅を建てるというところに「町を離れない」という強い意志を感じる。
自分が見て回った場所の中では、最も復興が進んでいると感じた。他の場所は良くて「復旧」。一部機能を取り戻した。しかしこのあたりは再び新しく作り直そうとしている。その道程は途上ではあるものの、確実に前に進んでいるし、その道筋はハッキリとしている。
万石浦のあたりでは石巻線と並走するようになる。昨年見た時はレールがはがされ、一時的に何もなくなっていたが、真っ白なコンクリートの防波堤にレールが守られるかのように路線が作り直されていた。今は浦宿駅まで復旧し、石巻まで、そして仙台へと出るルートがある。
このあたり、鉄道路線があるというのは復興においてやはり強みなのだと思う。近くに大都市があり、そして大都市に出ることができる。この選択肢があることが重要なのだと思う。
復興を支えるのは輸送インフラなのだ。
(つづく) 続・被災地の今を訪ねる(8) - (旧姓)タケルンバ卿日記