(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

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小細工なしの刺身一本勝負 - 誰そ彼

せっかく三陸に泊まるなら魚介は外せないということで、こちらのお店に行ってまいりました。

誰そ彼(釜石・魚介)

釜石の有名店。

詳しくはこちらの記事などをどうぞ。
運良く予約なしで入店。いいタイミング。記事にあった松の一枚板のカウンター席に。
3,000円・4,000円・5,000円のおまかせの他、2,000円・3,000円の定食、他に単品料理がある。
とりあえず真ん中の4,000円のおまかせに。実に日本人的選択。中庸。全部で4〜5品が日替わりで出るそうな。何事も季節の旬のもの次第、仕入れ次第というわけ。

まず突き出し。豚肉と野菜のクリーム煮。豚肉は大ぶりで、歯ごたえがあってうまい。魚介メインではあるものの、ここは肉料理もうまいらしい。……そうなると肉も気になるじゃん。

カジキの煮付け。この日はカジキのいいのが入ったそうな。突きん棒漁でとったカジキ。

仕入れる魚はすべて、一度も冷凍していない活魚。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/reb/20120424/306750/?ST=rebuild&P=2

あー、そんな感じします。身がしっとり。冷凍モノ特有のパサパサ感がない。
一方で変な脂もない。脂が上品で程よい。口に入れると溶けてしまうという脂ノリではないが、噛んだ時に身から溢れ出る程度には脂がある。そのあたりが程よい。
続いてメインのお刺身登場。「こんな刺身は他では食えねえんだから」と大将が出してくれたものがこちら。

どーん! ぴっかぴかのお刺身! これで2人前。驚きの量。
お刺身はどれもひとつひとつが大きく切り分けられ、色がきれい。見た目がきれいなものは、食べてもうまい。
生の本マグロ。生のカジキ。生のタイ。生のヒラメに、そのエンガワ。プリップリのホタテは甘いし、ヤリイカはピンッとした新鮮そのもの。
どれも「……ふーっ、刺身ってこんなにうまいのか」と「刺身ってなんぞや」という刺身哲学の世界に引きずり込まれそうな。魂が抜かれるうまさ。
「こんな刺身は他では食えねえんだから」
うん、そうだ。こりゃ食えん。大将が胸を張るのもやむなし。うまいよ。

そしてカレイの焼き物が来る。
「皮がうまいから。皮まず食べて」
と言うので皮を。パリッパリです。脂がいい方に作用してサクサクです。カレイなのに結構脂ものってます。なんだよこれ。もう酒飲むしかないじゃん。酒ちょうだい、酒。
「刺身はちょっと残すんだよ。最後にご飯だすから。それでどんぶりにして食べるんだよ」
なんですと!! そんなこと言われたら怖くてお刺身食えないじゃん!!
急に弱気になってお刺身に手を出せなくなる。他でちびちび飲む。うまいものが控えているとなると弱気になるのである。やむなしである。

それを見かねてか、いくらをくれた。つまみにしよう。
「これをご飯にのせてどんぶりにしな」
これもどんぶりか! 結局お預けか! うまいけど地獄だな!!
……と思ったらご飯来た。締めよう。えっと、ご飯にいくらのせて、お刺身をザブンと醤油につけて、それをご飯にのせて……できた!

はい、うまいです。そらうまいに決まってますわな。

お椀もおいしゅうございます。生ふのりもうまい。お魚の身もうまい。おダシも魚の骨からとったいいおダシ。文句のつけようもございません。
品数は少ないけど、お刺身ドカン! で確かな満足。今回は食べ物全部大当たり。美味しゅうございました。次は予約しようっと。