(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

ダメ投資家の典型

弊社の会長は70オーバーであり、退職金などの蓄えもあるので、余裕資金で投資をしているのだけれど、この投資がハタから見ても見事にダメ。「こうすると負けるよ」という典型的な投資姿勢。「投資はうまくいかないねえ」と口癖のように呟いているのだけども、そりゃうまくいかんよ。

証券会社の営業の言葉を鵜呑みにする

毎朝弊社に証券会社から「本日の相場展望」と題したFAXが来るのだけども、まあ見事にその通り行動しているのが我が会長である。買い推奨銘柄はちゃんと買ってるし、それが売り推奨となったらきちんと売っている。「チミに主体性はないのか」というくらい見事な姿勢である。
しかしよくよく考えてみると、この「本日の相場展望」とやらが正確なら、これを出している証券会社はボロ儲けなはず。この情報をFAXする必要はなく、ひたすら自社取引すりゃいい。百歩譲って「いやいや、うちだけ儲けるのは悪いから、善意で教えているんですよ」という話としても、このFAXが正確なら、このFAXの情報に基づいてみんなが動くようになり、買い推奨となったら買いが集まって割高になり、売り推奨となったら割安になる。いずれにしても良いことなし。

コスト意識がない

我が会長は未だに株の注文を電話で出している。このインターネット時代にである。「パソコンは信用できん」がモットーらしいけども、それで割高な手数料を払っている。
また投資信託に至っては薦められるがまま高い手数料のものを買っている。購入手数料無料のノーロード・ファンドだってあるのにだ。
「手数料が高いファンドの方が儲かるんだろ?」
違います。

投資家の利益と証券会社の利益の違いに気付いていない

結局これなんですよ。ここに気付いていないからFAX情報のままに取引し、薦められるがままに手数料が高いファンドを買うと。ここが肝なんざます。
投資家の利益ってのはシンプルなわけですよ。お金を増やす。これに尽きるわけです。で、お金を増やすには次の方法しかないわけですよ。

  • 収入を増やす
  • 支出を減らす

「収入−支出=増加分」なわけで、収入を増やせば増やすほど、支出を減らせば減らすほどお金は増える。話は至ってシンプルなんですよ。ところが証券会社の利益とは手数料収入を増やすこと。この手数料収入って、投資家にとっては支出なわけで、ここで支出を減らしたい投資家と、支出を増やしてそのお金を得たい証券会社という構図がある。そう。そもそも投資家と証券会社の立場ってぶつかるんですよ。
逆に言うとこういう矛盾があるからこそ、信用できるかどうかの見極めもできます。手数料収入を減らす提案ができるヤツはホンモノ。自分の取り分を減らしてまでも客のことを考えるヤツこそ信用すべしというわけですな。複雑なつくりに加え高い手数料のものを薦めるヤツと、安い手数料かつ日経平均に連動などのわかりやすいつくりのインデックスファンドを薦めるヤツとでは天と地ほども違うわけです。このあたり保険も一緒。シンプルな保険ほど安くてお得なわけでねえ。
人の言うがままは危険ですぞ。