(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

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シンプル・イズ・ザ・ベスト

ラーメン好きか来ましたよ。ラーメンはうまけりゃいいじゃないすか。それ以外に大事なことってあるの?

「ラーメン業界全体がウンチク勝負になってきている。消費者やメディアもウンチクがあれば美味しいと思っている」

http://news.ameba.jp/special/2008/03/12039.html

雑誌なんかは確かにそうだね。なんか小難しそうなウンチクが並んでるし。ま、オレなんかもラーメン好き歴が長いんで、そういうウンチクを知らないわけじゃないけど、そういうのって面倒なんだよね。どうでもいい。別にウンチクを聞くためにラーメンを食べるわけじゃないし、ウンチクを食べるわけでもいい。うまけりゃいいんだよ。うまけりゃ万事解決じゃん。

「無化調(化学調味料を使わない)のスープ」、「スープには烏骨鶏のガラを使用」、「ローストした甘海老の頭をすりつぶした」、「モンゴルの岩塩を使っている」、「27時間しっかり煮込み乳化させた」などの工夫

http://news.ameba.jp/special/2008/03/12039.html

どの店も色々やってるよねえ。大したもんだと思いますよ。よくもまあそんなにネタがあるねえと。
ただ勘違いしちゃなんねえのは、そういう工夫はうまくするためにするもの。「うまい」というゴールに向かうための方法であって、それ自体がゴールじゃないんだよね。目的じゃない。
特に誤解が多いのは無化調。化学調味料を使ってませんと。自然なうまみでやってますと。まあその志は立派なんだけど、ズバリ言って無化調の店は大抵うまくねえですよ。無化調の店は大抵うまみが足りない。どうしても薄い。そりゃ当然で、化学調味料で補っていたうまみがなくなる。その分、うまみは薄くなる。当たり前の話でしょ、これ。
但し、それでも工夫によってうまくすることができる。化学調味料で補っていたうまみを、他のもので補えばいい。例えば鶏がらの量を増やす、野菜を増やす、昆布を足す、サバ節を入れる。しかしこれだと材料費が高くなる。従来より必要な材料は増えるから。ということは原価が上がる、ラーメン1杯の値段も上がる。こういう関係性があるのよ。
で、このどこにも「うまい」というゴールは見えてこない。足りないうまみを補うと値段が高くなる。これだけの話。従来よりうまくなるっていう前向きの話じゃないんだよね。どれだけ後退せずにすますかってだけ。そういう後向きの工夫。客としてありがたくない工夫。
で、オレみたいなラーメン好きにはこういう流れって困るわけね。本当のラーメン好きってのは毎日でも、毎食でもラーメンが食いたい人種なわけで。能書きやウンチクなんかはどうでも良くて、うまければいいし、安ければいい。日常食としてのラーメンを愛する人種。ウンチクが凄かったり、値段が高かったり、具が凄かったり、豪華すぎるラーメンはご馳走。たまには食べたいけど、そんなもの毎日食ってられん。ほどほどうまくて、安い。そして飽きない。これが理想のラーメンなのよ。なんの変哲もない普通のラーメンがうまいわけよ。化学調味料がジャンジャンかかっていても別にいいんですよ。うまければ、安ければ無問題。
ウンチクが好きとか、特徴がないとダメってのは本当のラーメン好きとは言えんね。普通のラーメンを愛してこそラーメン好き。毎日食べても飽きない店を抑えているのがラーメンファン。わしゃ東京のラーメンで育っているんで、鶏がらか煮干ダシの醤油スープに細めん。ネギ、メンマにチャーシュー1枚。これで何も文句いいません。これでいいんです。普通がいいんです。好きあらばラーメン食べたいのです。毎食麺でもいいんです。それには飽きる味だと困るのです。飽きのこない味こそマイベストセラー。
ちなみにわしゃ麺もの全般好きですが、どの麺ものもシンプルがいいね。そばならもりそば。うどんは醤油かけただけ。沖縄すばもソーキとか入ってないヤツの方が味がストレートでいいし、パスタもペペロンチーノみたいなヤツがいい。そういうシンプルなうまさこそ、本当の麺のうまさだと思うけどね。烏骨鶏使ったら、それは烏骨鶏のうまさだもんな。別にそこまでせんでも。そこそこうまけりゃいいよ、別に。無理して高い材料使わんでも、化学調味料を入れなされ。それで十分うまいから。
ラーメン屋さんもマスコミに取り上げられようとすると大変なんですねえ。地味にやりゃいいのに。皆さんご苦労様でした。