(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

大臣辞任をめぐるエトセトラ

せっかく手間かけてまとめたので。

大臣辞任にかかわる豆知識的なことをまとめてみますかね。

酒で辞めた人

中川財務相だけではないです。過去にはこんなケースもありました。

12月13日の衆議院予算委員会に泥酔状態で出席したことが問題となる。さらに、議員食堂前の廊下で山下春江議員に抱きついてキスを迫り、山下議員が抵抗すると顎に噛み付くなどの不祥事(キス事件)が発覚。野党が一斉に反発し、審議を拒否したことから翌14日に引責辞任すると共に議員辞職した。

泉山三六 - Wikipedia

とんでもない話だ。

この事件を重く見た衆議院では、12月22日に議員は酒気帯び登院を厳禁とする国会決議「議場内粛正に関する決議」が全会一致で可決されている。

泉山三六 - Wikipedia

今はアルコール厳禁なのですよ。

「クビ!」は4人だけ

首相が大臣をクビにする、即ち「罷免」したケースは、実は戦後4件だけ。

平野力三 1947-11-04 農林大臣 片山
広川弘禅 1953-03-03 農林大臣 第四次吉田
藤尾正行 1986-09-09 文部大臣 第三次中曽根
島村宜伸 2005-08-08 農水大臣 第二次小泉・改造

最近だと島村農相のケースが記憶に新しいですね。いわゆる郵政解散の際に、解散に反対。辞表を出すも、罷免されたケース。
4件中3件が農水関係閣僚*1。同じく4件中3件がゾロ目の日付。
ということは、次は4月4日あたりが怪しいかな?
(その後、福島瑞穂が5人目になった模様)

2回辞任すると出世する

過去、閣僚を2回以上辞任したのは7人。

池田勇人 1952-11-29 1958-12-31
佐藤栄作 1953-02-20 1964-06-29
三木武夫 1958-12-31 1968-10-29 1974-07-12
藤山愛一郎 1962-07-06 1966-11-04
増原惠吉 1971-08-02 1973-05-29
福田赳夫 1974-07-16 1976-11-06
額賀福志郎 1998-11-20 2001-01-23

このうち、池田勇人佐藤栄作三木武夫福田赳夫の4人が首相に。現役政治家で唯一の複数回辞任経験者の額賀氏はどうなりますかねえ。
一応縁起の悪いデータとしてあるのは、首相になった人は少なくても1回は政局や、総裁選出馬がらみの理由で辞めているということ。つまり権力闘争や、首相の座を勝ち取るために閣僚のイスを捨てる経験をしている。
額賀氏の辞任2回は防衛庁の不正入札の引責と、KSD事件の不祥事ですからねえ。どうなりますか。

リベンジならず

増原惠吉氏は2回防衛庁長官となり、その2回とも途中辞任というツワモノ。

1971-07-05 1971-08-02 第三次佐藤・改造
1972-07-07 1973-05-29 第二次田中

最初の期間が1ヶ月。で、何故か辞任して1年後に再起用。そのリベンジも1年未満で終了。

こういう事件を起こしては、さすがに3回目はないですね。

最短在任期間ダービー

「最も短い大臣在任期間は誰だ?」って話になると、結構いい勝負しとるんです、これが。

1位 長谷川峻 法務大臣 1988-12-27 1988-12-30 4日間 竹下・改造
2位 中山成彬 国土交通大臣 2008-09-24 2008-09-28 5日間 麻生
3位 遠藤武彦 農林水産大臣 2007-08-27 2007-09-03 8日間 安倍・改造

ここ最近で2位・3位の記録が出ましたが、1位は不動。これを抜くには3日天下しかない! 1週間ももたなかった人が2人もいるって驚きですなあ。

農水の落とし穴

どの閣僚が一番辞めているかと数えてみたところ、ダントツで農水関係閣僚。13人。

松村謙三 1946-01-13 幣原
平野力三 1947-11-04 片山
広川弘禅 1953-03-03 第四次吉田
内田信也 1953-06-22 第五次吉田
倉石忠雄 1968-02-23 第二次佐藤・一次改造
田名部匡省 1993-08-04 宮沢・改造
越智伊平 1997-09-26 第二次橋本・改造
大島理森 2003-04-01 第一次小泉・一次改造
島村宜伸 2005-08-08 第二次小泉・改造
松岡利勝 2007-06-01 安倍
赤城徳彦 2007-08-01 安倍
遠藤武彦 2007-09-04 安倍・改造
太田誠一 2008-09-19 福田・改造

ここ最近は入れ替わり激しいですからなあ。
皆様もこのポストにつくときはご注意ください。……ないか。

年代別に見る大まかなトレンド

1940年代

占領下ということもあり、GHQによる公職追放が猛威を振るう。

1950年代

55年体制」がまさにつくられた時代ゆえ、政界再編とともに、政党役員への転出が目立つ。政局がらみの辞任も同様の理由。

1960年代

事件発生による引責と、派閥同士の権力闘争。

1970年代

舌禍ブーム。そして三角大福中時代のはじまり。

1980年代

金銭がらみの不祥事が増える。そして相変わらず舌禍。

1990年代

政治改革ブームで、自民党の党勢が衰えていた頃なので、政局がらみが目立つ。舌禍は全然減らない。

2000年代

金銭不祥事発覚で辞任というのが大半。もはや党内の権力争いで大臣を辞めるケースは絶滅したみたいですね。

おまけ - 大臣ではないけど、こんな人も辞めました

政務次官辞任のケースなんだけど、こんな人も辞任したんだという豆知識的に。
昔ですね、松岡克由って参議院議員の方がおりまして。三木内閣で沖縄開発政務次官に就任したんです。で、この人、公務より優先している仕事がありましてな。

国務大臣(植木光教君) 本日ここで新政務次官がごあいさつをすることになっておりましたが、先ほど理事会において御協議をいただいたというふうにお伺いをいたしておりますが、松岡政務次官が、去る土曜の夕方でございますが、私といろいろ協議をいたしました際に、政務を最優先をして今後沖繩県づくりに努力をいたしたいという意向の表明がございました。しかしながら、御承知のとおり、演芸関係の仕事をいたしておるという実情がございまして、この問題をどういうふうに処理をしていくかということについて、本日午前中、時間をかしてほしいという申し入れがございました。
すなわち、現在行っております演芸活動が、すでに契約に基づいて行っているものがあり、また、その他の活動につきましても、いろいろ相手があることでございますから、その相手とのいろいろな交渉、協議というのに時間をかしてほしい、こういうことでございました。したがいまして、私はその点について了承をいたしまして、今朝も連絡がございましたけれども、ただいまその点について協議検討をしているということでございますので、本日ここでごあいさつをする機会をまだ持っておりませんことを御理解、御了承をいただきたいと存ずるのでございます。

参議院会議録情報 第077回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号

演芸。
で、沖縄海洋博視察では酒に酔って記者会見するわ、注意されても寄席の出演を優先するわで、結局辞任するんです。
……誰かって?

立川談志

*1:1978年に農林大臣は農林水産大臣に改称