(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

現地の相場で考える

現地の感覚で考えるって、とても大事なことなんです。

「円になおして考えない」はボラれないコツ。
タイに行くとね、いろいろと安いんですよ。

カオマンガイというスープで炊いたご飯に鳥肉を乗せた料理がそこらの屋台で食えるのだが、これが30バーツほど。庶民の食べる食事として日本でいう牛丼みたいな位置づけ。

バンコクで「物価」の意味を知る - 狐の王国

今、1バーツは2.7円ほど。

ということは74円でカオマンガイが食べられる。もうね、メチャメチャうまいのよ。肉はプルプル。米はダシウマで。オプションで肉だけも頼めるし、レバーなんかの内臓だけとかも頼めるのよね。鶏を丸々煮込むので、あちこちの部位も実はおいてある。それを肴にシンハー・ビールでングングのプハーッ! たまんない。
でね、屋台とかの一般的な食事って、大体似たような相場。20バーツから30バーツ。カオマンガイもそうだし、クイッティオという米の麺(フォーみたいなの)、ソムタムというパパイヤのサラダにカオニャオというもち米、バッタイという焼きそば、カオパッというチャーハン、ごひき肉炒めとかタイカレーとか目玉焼きとかのおかずを選んで、ご飯にのせてもらうタイプの定食屋とか。みんな一緒。
でね。食事がこんな感じだから、100バーツがもの凄く使いでがある。たかだか270円なんだけど、100バーツ札1枚がもの凄く価値がある。日本だと千円札ですらすぐなくなるし、ことによっては燃えるようになくなっていくんだけど、タイだとなかなか減らないんだよね。100バーツ札ですら。270円分ですら。
で、この感覚って結構大事なわけよ。「100バーツってなかなか減らないね」って感覚。というのも、観光客っぽいことをすると、実は100バーツってあっという間になくなる。ちょっとしたレストランで食べると、1品100バーツ。タイマッサージ300バーツ。トゥクトゥク*1での移動に200バーツ。ちょっとした買い物に行っても100バーツ単位のものが中心。
でね、これを円で考えると全部安く感じるわけです。レストランで1品270円。安いじゃないか。タイマッサージで810円。うむ、安い。トゥクトゥクでの移動に540円。話のタネに悪くないなと。一事が万事、こんな調子。
でもね、これをやると感覚がずれる。

1カオマンガイ=1牛丼と考えると、こちらの本当の物価が見えて来る。

バンコクで「物価」の意味を知る - 狐の王国

っていうような感覚があるといいと思うんだな。単純に円で置き換えると本当の物価は見えない。
基本的には10倍にして考えるといいと思うのよ。バーツを10倍にする。100バーツなら1,000円だと。レストランで1品1,000円。タイマッサージ3,000円。トゥクトゥク2,000円。こう考えて高い・安いを判断しないとずれるし、何でも安く見えてしまう。
よくあるのはチップのあげすぎで、100バーツとかを普通にチップであげてしまう。日本円で考えると270円。「たかだか」と言えなくもないし、旅先で気分が良くなり「よっしゃ、よっしゃ(@田中角栄)」となる気持ちもわかるけど、向こうの感覚で言えばバカ高いチップなわけね。本当にそれだけの額に見合ったサービスを受けたならいいんだけど、「とりあえず」ならちょっと困った話。
買い物なんかでもそうね。言い値で買ってしまう。向こうはふっかけたつもり。そこから交渉がはじまり、値が下がると踏んで言ってくる。けども、円に直すと安い。買ってしまう。Tシャツなんか特にそう。おもしろいプリントのTシャツが200バーツとか言われる。540円。安い。しかし実際のところ100バーツでも買えるし、もっと安い店もある。実は2倍ふっかけられている。

日本円で考えると安い。しかしタイバーツで考えると高い。

こういうことがあるんだよねえ。価格の基準が違う。安く買ったつもりでも、結果的にボラれている。そしてそれが観光地価格をつくり、日本人向け価格が生まれる原因にもなったり。ふっかけても買うから、ふっかけられるんだよね。そこで買わなければ、その価格は成立しないわけでさ。
旅先で日本円に直して損得勘定するのもいいけど、ほんのちょっとだけ現地での価格、向こうの相場を意識して欲しいな。

*1:ミゼットがベースのタイの三輪タクシー