(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

弱味をさらけだす強さ

知り合いのイケメンがいる。見た目かっこいい。おしゃれだ。穏やかな性格で、礼儀正しい。きちんと稼ぎもある。仕事人としても悪くない。

常識的に考えてモテないわけがない。誰がどう考えてもそうなのだけど、彼を知っていると、モテるわけないよなあと思う。

異性が苦手で、人見知り。うまく話が続かない。自分みたいなのが絡んで場が壊れるのが嫌と、ちょっと斜に構えてしまい、冷たくしてしまう。

人当たりが悪い。一言で表現すればそういうことで、ややもすればこわい人に思われる。いつもムスッとしている。近寄りがたい。近寄る人がいないから、モテるわけはない。

見た目はモテ。その内実は非モテ。まあこういうところ。

で、その彼の現実といえば、まあなかなかに幸せになのである。彼女がいる。で、その彼女と別れたとしても、すぐに次の彼女ができる。

「二股三股当たり前」とか「浮気上等」みたいなモテではないが、常に特定の交際相手はいる。悪くない。実に悪くないモテだ。

で、彼をあまり知らない人間にとっては「そりゃモテるよなあ」という話になる。冒頭に挙げたようにかっこいいし、おしゃれだし。おまけに性格的にもいいヤツだしと。

けれど、ちょっと彼を知っていると「よく彼女できたね」という話になる。「きっかけなんかあったの?」「どういう流れなんだろう」と、まず仲良くなる過程が想像できない。まあそれだけ不器用なヤツってこと。

しかしながら親友クラスになると彼の本当の武器を知っている。何故彼が超絶人見知りなのにモテるか。

弱味をさらけだせる強さ

彼は自分の弱さをさらけだせる。彼女がいないとき、別れたとき、その状態を素直に寂しいと言える。そして彼女が欲しいと言える。

その弱っている姿は、同じ男でもかわいく見えるくらいなのだから、母性本能がある女性にとって見れば、かわいくて仕方ないんだろう。

そしてまた助けてやるとまたうれしそうなんだ。寂しいと言うから一晩飲んでやる。お互いぐでんぐでんになる。朝方帰るときにいう「ありがとう」の一言が本当にうれしそうで。飲みに付き合った甲斐があるなあと思う。

弱さが助け甲斐となり、彼女をつくる要因になっているんだろうな。弱さが魅力であり、魅力を見せることすなわち弱味をさらけだすこてであると。

ちなみに彼が彼女と別れるパターンはいつも同じ。慣れ。いつも一緒にいることで慣れてしまう。慣れが彼を強者にしてしまい、彼女なしの時間が増え、男友達と過ごす時間ばかりになる。

彼女なしの寂しさが彼女をつくり、彼女ありの慣れが彼女を去らしてしまう。男友達を優先してしまうのは彼の業なのか何なのか。

弱味は強さとなり、強さは弱味となる。因果はめぐりますなあ。