(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

メニュー偽装で返金ってどうなのよ問題

ホテルの偽装表示の話。
ここでは偽装の是非とか、これが偽装で、あれが誤表示であるとか、そういう話はしない。そういう自体が明るみになった際の対応について書く。
まず飲食とか宿泊サービスに多少なりとも関係ある人間にとって、今回の「返金」という対応は悪手に思える。つか、慣れている人間はしない。
一般的な対応だと返金して買い直してもらうのではなく、商品券などを渡して食べなおしてもらう。お金だと本当に食べてない人まで群がる可能性があるし、そのことで無用の混乱を呼び、本当に食べていた人まで迷惑を被る可能性がある。
換金性のない手段の方が、食べていない人が名乗り出るリスクが低いし、換金性がないために、少なくてももう一度は利用してもらえる。確実にお詫びの機会を得られるわけで、普通はこっちを選択する。
しかし今回は普通じゃない返金という選択肢をとった。ここで考えられること。

返金がベストと判断した

有り体にいってこれ。返金がベストだと。商品券とかでは納得得られないと。
ということは、これを決定した経営陣が深刻な偽装、深刻な誤表示をしでかしたという認識を持っていることを意味する。やばいと。返金じゃないとまずいと。それだけのことをしたんだと。そうじゃないと返金しないよね。このあたり、会見の内容とかと矛盾しそう。

返金以外の方法を知らない

あるいは経営陣が素人集団で、返金以外の方法を思いつかなかった可能性もある。
いや、経営陣に力があるからそうなったと言えるのかな。「ここは返金で行こう!」と決められるだけの力がある。力があるから最も極端な方法を選択してしまう。他の穏便な選択肢を外してね。

現場は返金という選択肢を持っていない

何かしらのクレームがあったとき、返金という手段を決定できるのは、職位が相当上の人間に限られる。店舗レベルで言えば責任者クラス。店長、支配人。
一方、お詫びに商品券を渡すくらいなら、結構職位が低いクラスでもできたりする。ドリンク無料券とか。1,000円引き券とか。あるいは無料食事券、無料宿泊券。お金を伴わないものは意外と現場で決められる。

現場の暴走ではない?

ということをつらつらと考えると、今回のあれこれはどうも現場の暴走ではなさそう。現場が勝手にやって、上は知らない、会社は知らない。そういう話じゃない。
ある程度の権限がある人間が、権限をもって指示し、その結果こうなり、権限がある人間が「やばい!」と思ったからこそ返金という対応になったと思われる。

できる現場の人間不在

できる現場の人間を抜かしていろいろ決めたから、こういう偽装だとか誤表示の問題が起きたし、できる現場の人間がいないから、問題の初期消火を誤ってこじらせたし、できる現場の人間から知恵をもらわないから、返金という後手後手の対応になったんじゃないかなあと。
ま、100%想像だけで書いてます。本当のことは知りません。でも、サービス業に心得がある人間にとって、返金って簡単にはできん手段なのよなー。経営者ならともかく。現場はやらん。
私は返金をほいほい決めるってことに違和感を感じる現場の人間です、はい。