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受験生を抱える親御さんにすすめるホテル利用法

都内の宿泊業界では受験生が目立つシーズンとなってまいりました。

こんな記事を見かけたので、事情をよく知る内部関係者として、お役立ちなお話をちょっと書いていきたいと思います。

この流れの受験生向けテクニック集ということで。

予約は急ごう

今から急いでホテルを手配しようとしている受験生&保護者が今年も結構いるはずなのだが、果たして間に合う??

1月ピークの受験用ホテル予約!役立つポイントまとめ - Ameba News [アメーバニュース]

急ぎましょう。
この時期はただでさえ受験生の予約が多く、立地の良いホテルは混みがちですが、それに加え、昨年の秋口くらいから都内のホテルはどこも高稼働。

日本経済新聞社がまとめた10月の東京都内の主要19ホテルの平均客室稼働率は90.2%と、前年同月比5.3ポイント上昇した。

都内ホテル稼働率、16年ぶり90%台 外国人客増える:日本経済新聞

また、受験シーズンは他のイベントなどとも重なります。例えば2月23日の東京マラソン

国公立大学の前期試験と例年重なる受験生泣かせのイベント。この前泊・後泊の影響で新宿付近は大変混雑します。
大学受験だけではなく、理学療法士試験などとも日程が重なることが多いので、今年だけではなく来年以降も関係者は要注意。逆に言うと、東京マラソン出場者も受験シーズンと重なることを考えて、ホテル予約は早めにしておこうってことでもあります。
早期予約の割引プランなどを設定しているホテルも多いので、できるだけ早めに予約を入れておきましょう。大抵はそのホテルチェーンのWebサイトから予約するのが最も格安です。何故って? 問屋通すより、製造元から直接買ったほうが大抵安いでしょ。

キャンセル料が不安なら食事なしで

キャンセル料が不安な場合は食事なしのプランにしておきましょう。特に夕食は「なし」にしておくのが賢明です。
ここでキャンセル料の仕組みを説明しておくと、要はキャンセル料って、本来かかるべき費用であり収益の補償なんですよね。準備のためにお金使った。でも来ない。どうしてくれる。そうしたケースの補償料であると。
ビジネスホテルの場合、この補償があまりいらないんです。キャンセルになっても部屋が余るだけだから。そして余った部屋は他の人に売ればいいから。機会損失は確かにあるんだけども、影響は軽微なんですよ。個人客の場合は(団体旅行は別)。
但し食事があるケースは別で、特に夕食付きの場合は食材を仕入れるし、朝から仕込むし、チェックインに向けて準備する。それがキャンセルになれば、調理の手間が無駄になるし、食材そのものも無駄になる。というわけで、食事付きの場合はキャンセル料がどうしても発生してしまいます。ビジネスホテルではキャンセル料があまりかからず、旅館などではキャンセル料がかかるのは、こういう食事の有無の違いが大きな理由。
ですので、補償の有無に関わる部分は最初から組み込まないのが賢明。食事なしの身軽なプランにしておきましょう。バイキング朝食とかならセーフ。きちっと人数分用意するものじゃないので。同じ朝食でも部屋出し形式だと人数分キッチリ準備するのでアウトです。
またビジネスホテルといえど、無連絡のキャンセルはご法度。「キャンセル連絡くれれば他の人に売れたのに、連絡くれなかったから売れなかった!」となってキャンセル料がかかるケースがほとんど。
こういう無連絡キャンセルを「姿を見せなかった」ということで、業界用語で「No-Show」とか言いますが、No-Showの場合、予約サイトにその旨の連絡が行きますし、No-Showが複数回あると、そのアカウントは凍結されたり、停止されることがあるので注意です。

とりあえず新宿にしておけば安心

そしてここからが重要なポイント!今からホテル予約する際の鉄則は、「志望校の最寄り駅まで乗り換えなしで行ける駅のホテルを選ぶこと」。

1月ピークの受験用ホテル予約!役立つポイントまとめ - Ameba News [アメーバニュース]

まあこの考えが無難ですわね。乗り換えが少ない方が確実。
不案内な方はとりあえず新宿にしておけば間違いなし。JR中央線・山手線、西武新宿線京王線小田急線の沿線であれば、新宿を第一候補にするのが無難。というか、これ以上の場所はない。複数の大学を受ける予定があるならば尚更。新宿にしておいて困るケースがほとんどないです。敵は東京マラソンだけ。
大手ホテルチェーンの店舗があって、価格もお手頃なのもいいところ。都心エリアと比べてお値打ち感がある。東横イン、アパ、ワシントンホテルもあるし。初めての上京、そして未成年がいきなり歌舞伎町の東横インというのは、かなりスパイシーな経験だとは思いますがね。


大きな地図で見る
場所で察してください。
あとは路線で判断。東京都東部エリアであれば、都内を避けて千葉県側の浦安・幕張エリアが便利だったりします。八王子エリアの大学を受けるなら立川もいいですね。
東京都西部は東西の移動はしやすいのですが、南北の移動に難があるため、直線距離は近くても遠回りを強いられるケースがあります。地図で判断せず、路線で判断をしましょう。そしてわからなければ受験する大学に確認するのが確実。オススメホテルを教えてくれます。わからないことは早めに確認しておきましょう。

大金持たせるのが嫌なら事前決済しておこう

1泊1万円として5泊で5万円。その他に交通費やら食費やら雑費やら。受験にはお金が必要。お子さんに大金を持たせるのが不安という親御さんもいらっしゃることでしょう。
こと、宿泊費用に関しては予約サイトで前払いしておくのが確実。クレジットカードなどでオンライン決済することができます。
また、予約サイトを使わず、ホテルのWebサイトなどで予約をした場合などは事前振込などの対応をお願いするのもひとつの手。直接ホテルに電話して、前払い希望の旨を伝えれば、大抵の場合は事前振込OK。振込先を教えてくれるはず。
その場合、振込手数料は親御さんの負担になることがほとんどですが、お子さんに大金を持たせなくていい安心料と考えれば安いもの。
難点は、キャンセルになった場合、返金も振込になるため、往復で振込手数料を負担するハメになるということくらいでしょうか。ま、これはキャンセル料として割り切ってください。うん百円の話だし。

細かいことはホテルに連絡

大学受験する人のほとんどは未成年ですが、特に何の配慮もなくホテル予約をすると喫煙室があてがわれます。基本的に禁煙希望の人にしか、禁煙室はあてがわれません。
特にJTBなどのエージェントから予約をした場合、「シングル」などと部屋タイプの指定はあるものの、喫煙・禁煙の指定がないものが多くあります。早めにホテルに直接連絡し、禁煙希望の旨伝えましょう。禁煙室がない場合でも、消臭してくれるなど、最大限のことはしてくれます。
また、乾燥しやすい時期なので、加湿器の貸し出しをお願いするのも効果的。ビジネスホテルは寝ることを第一義にしているため、全般的に照明が暗めなので、電気スタンドを頼むのもいいでしょう。こういうのは言えば対応してくれますが、言わない限り何もしてくれないものなので。
用心深い親御さんであれば有料チャンネルの撤去をお願いするのも手。あれ、放送できないようにすることができます。事前にホテルに頼めば、未成年者への対応としてやってくれます。
「未成年なので、灰皿と有料チャンネルは外してもらえますか?」と頼んでみましょう。もし断られたら、そのホテルはあなたの大事なお子さんを泊めるに不向きです。キャンセルして他のところにしましょう。未成年者に対する「まともな」対応ができるホテルかどうかを判別するいい機会でもあります。

きちんとキャンパスを確認しよう

いるんです。確認しない人。
明治大学受ける。いいでしょう、頑張ってください。で、どこのキャンパスが受験会場かを聞くとわからんって人がいるんです。御茶ノ水か、生田か、和泉か、中野か。だいぶ違うのに。
日本大学なんかもそうですね。あちこちにキャンパスある。三島の国際関係学部受けるのに、都内に宿をとってどうするというお話でありまして、ええ。世田谷の文理受けるつもりで三島だったじゃシャレにならんわけです。
まして親というのは古い情報の先入観があるわけで。古い大学情報のまま。中央大学京王線多摩動物公園駅から歩くもの。ええ、あってます。でも今は立川モノレールという手もあるんです。
早め早めに調べておくのが肝要。ギリギリ禁物。ホテルで調べればいいや。これが一番ダメ。ホテルで聞くくらいなら、あらかじめ大学に聞きましょう。

部屋は分けて泊まろう

前出のベネッセの調査によると、男子の37.5%、女子の50.0%が保護者同伴だったとのこと。しかし、受験生にとっては心強いかと思いきや、「隣のベッドからの爆音で一睡もできなかった」なんて笑えない話もある。

1月ピークの受験用ホテル予約!役立つポイントまとめ - Ameba News [アメーバニュース]

お子さんにとっては迷惑極まりない話でありまして。
例えばタバコ吸う親が「喫煙でいいよな? 喫煙!」とか。喫煙フロアと禁煙フロアが分かれていないホテルあるある。そこは子どもに合わせないのかよ……。
予算抑えるためにツインとか。あるいはダブルとか。これもねえ。お子さんは満足行く前夜を過ごしたいのに。予算抑えたいなら、親は来ない方がいいんじゃないのかなあ。
個人的にはせめて部屋は分けてあげたほうがいいんじゃないかなと。あと隣の部屋が親とかだと気を使うので、離れた部屋の方がよろしいかと。
まともなホテルであれば、親子同伴の場合、なるべく近い部屋にしますし、なるべく隣部屋にします。なので逆に「部屋は離してください」「別フロアでもいいです」とか頼んでおくのも手。受験の時くらい、お子さんは自由にさせてあげてくださいね。

タクシーは予約しておこう

住宅地ど真ん中に大学がある場合、タクシーで行くという選択肢もあるかと思いますが、受験シーズンは皆さん同じことを考えるわけで、なかなかタクシーがつかまらない。まして悪天候の時は尚更。ホテルに頼んでもタクシーはきません。あなたがタクシーと呼ぼうと電話しても来ないなら、ホテルから電話したところで一緒です。ホテルからの電話もつながらない。

どうしても確実にタクシーで行くなら、タクシー会社に直接連絡して予約しましょう。別料金はかかりますが、確実です。
確実にやっておきたいことはホテルを通さず直接に。これが鉄則。
こんなところでしょうか。この1月、2月が勝負どころ。皆様の幸運をお祈りします。