(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

ザックリでおかしいときは細かく見たっておかしい

最近のスキャンダルの出方は「懐石料理」どころか「日替わりランチ」状態な安倍内閣なわけですが、今度は年金がらみの不正。市町村職員による年金保険料の横領発覚。

 社保庁が全国の社会保険事務局を通じて過去にさかのぼって調査した結果、社保庁職員による国民年金や厚生年金、健康保険の給付費や保険料などの横領が50件、横領総額が約1億4200万円あることが分かった。

 市町村職員による国民年金保険料の横領件数は49件、横領総額は2億円強だったことも明らかになった。

……怪しいな。ホントはもっとあるんじゃねえのか? ちょっと統計的に推計してみるか。
犯罪白書によると、平成18年に発生が認知されている横領事件数は97,867件。また、総務省統計局によると、平成18年7月時点の日本の成人は1億380万人だ。ザックリいって、横領10万件・成人1億人ということだ。
次に職員数。厚生労働省によると、社会保険庁の職員数はザックリ2万8000人(平成18年)。この数字を元に計算しよう。
まず何人に1人が横領するかを考えてみましょ。成人は1億人いて、横領は10万件。単純に割り算してみる。

  • 1億人÷10万件=1000人/件

三人寄らば文殊の知恵だが、千人集まったら横領犯は1人いると、そういう話。横領率は0.1%。これを社会保険庁の職員に当てはめる。

  • 2万8000人×0.1%=28人

年あたり28人は横領しとるスットコドッコイがいると。そういう計算になるわけで。
そういう前提で改めてこのニュースを見ると……少ねえ。過去まで遡って50件という件数は明らかに少ない。10年遡っても280人いる計算。20年で560人。30年で840人。時効の問題やら、延べ人数の問題やらを考慮しても、少なすぎる。
市町村職員の方を考えると噴飯もの。だって、一般職員だけで120万人もいるんですよ、市町村の一般職員って。無論この中には社会保険のお金に一切触れない人間もいるので、120万人をベースに考えちゃいかんが、しかしそれにしても49件ってことはない。2万8000人がいる社会保険庁で50件で、120万人いる市町村職員が49件。……もうこの時点でおかしいじゃん。アンバランスすぎるって。
個人的観測としては「桁が違うんでねえの?」と思わざるを得ない話。こりゃまだまだ出てくるな。社会保険関係のお金に携わる人間が年あたり5万人いるとすりゃ、横領犯は年50人。20年遡ってみりゃ1000人。この1000という数字が目安なんじゃなかろうかと。闇はまだまだ深いぜよ。