(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

簡単放置中華粥

「日本に中華粥を広める会」の会長であるオレが来ましたよ。お粥、スゲエうまそう。

折角なんで参戦しよう。オレのお粥の作り方。
基本的にオレが好きなお粥はid:finalventさんが作っているタイプ。香港でよく見る広東スタイルの中華粥。お粥自体に味がガッツリついているヤツ。id:kotorikotorikoさんがつくっているような日本風のお粥もいいのだけど、味がなくて物足りないのよ。なんか病院食みたいな感じで。

  • 「おとっつあん、お粥ができたわよ」
  • 「そうかいそうかい。いつもすまないねえ。おとっつあんが元気な体なら……」
  • 「それは言わない約束でしょ」

みたいな病人コントを思い出して。志村けん石野陽子。梅干しとか漬物でお粥もいいんだけども、あれはどうも力が抜ける。id:kotorikotorikoさんの粥はスゲエうまそうで、ツバが出てやまないんだけども。
その点、中華粥はお粥自体に味がついているし、朝からガッツリパワーが出そうな気がする粥だ。具の汎用性も高いしね。なのでタケルンバ式中華粥の作り方をやっていきます。
本当はid:finalventさんが紹介しているようにシャトルシェフみたな調理器具で放置が一番楽でいいんでしょうが、世の悲しき男ヤモメたちはシャトルシェフなんて小粋なグッズは持ってません。「鍋しかねーよ」が多数と思われます。そこで鍋ひとつでもめんどくさがりでも作れる中華粥ということで紹介しましょう。

必要なもの

これがなくちゃ始まらん。お粥なので。普通の米でいいですよ。生米を用意してください。

  • ごま油

風味付けに必須。これがないと中華粥っぽくならん。サラダ油でも代用できるけど、仕上がりが違う。

  • 鶏がらスープのもと

中華粥は味のついたスープで生米を炊きます。だからお粥自体に味がついている。
そのためにスープのもとを用意しよう。一応中華粥なので、中華っぽくするために鶏がらスープのもとって書いたけど、スープのもとであればなんでもオッケー。洋風にコンソメでもいいし、和風にほんだしでもいい。要するに生米を煮るためのスープ材料と思ってくれれば結構。ここは自由に。
ただ、スープっていってもみそはナシね。ちょっと風味が強すぎる。醤油ものもやや自重。発酵調味料はあんまり向きません。ダシのもとを使うのなら、醤油をあまり含まない白だし系にするといいでしょう。適度にありものを使ってブレンドすべし。
あとここからはあるといいもの。

  • 乾物(ホタテ・スルメなど)
  • 揚げパン(油条)
  • 香菜・三つ葉などの葉もの野菜
  • トマト
  • 具の材料

乾物はスープのダシとして、そしてダシをとったら具として使える。ホタテの貝柱、スルメなどが最高。いい味が出るし、具としての相性もいい。ツマミ用のヤツとか、100均のでも十分。調理用のいいヤツまでは必要ないです。安いので十分。干し椎茸なんかもうまいぞ。
揚げパンはお粥のベストパートナー。これがあると本場っぽい。形から入りたい向きにオススメ。本場は油条だが、揚げパンで十分。でも砂糖がまぶしてあるのはナシ。味がついてない揚げパンで。
葉もの野菜は好み。色合いの問題でもある。本場は香菜だけども、和風に三つ葉も意外と合う。香りのある野菜を選ぶといい。
ちなみに意外と知らない人がいるけど、香菜とパクチーって同じです。注意。
トマトはタケルンバオリジナルのトッピング。これをサイコロ状に切って、お粥にのせると意外とうまい。見た目の色合いもいいし、口当たりがサッパリする。あんまり知られてないし、香港でもやってる店を見たことないが、結構うまい。是非お試しを。
具は完全に好みの問題。中華粥は具ナシでもうまいんだけど、やっぱりあるとうまい。ベタなのはピータンだけど、日本ではピータンは高い。卵好きならラーメン用の味玉でいいかも。
あとは魚。香港式だとお椀の底に刺身を並べ、そこに熱々のお粥をそそぎ、半生で食べるやりかたがある。
肉もベタだ。薄切りの肉を入れてもいいし、肉団子を入れてもいい。肉に限らず魚団子だってアリだ。お粥の具とトッピングのバリエーションは融通無碍。色々試して、好みのものを見つけてくださいな。トマトはマジでうまいから、一度は試してちょうだいな。

米を洗う

それでは調理に移ろう。まずはお米を洗う。分量は、洗うお米の10倍がお粥になると考えて下さい。10倍だぞ。10倍。
だから、1合とかでも結構な量になるからね。一人暮らしなら1合も使えば十分な量。最初は少なめで様子見るといいです。
米はとにかく洗う。いつもより念入りに。無洗米を使っている人も、ちょっとは洗ったほうがいい。軽くでいいけどね。一応。
洗ったらザルで水を切りボールに移す。そしたらおもむろにごま油をかけ、全体にまぶしてください。全体に、全体に、満遍なくいきわたるように、米がコーティングされるように混ぜること。人によっては炒める人もいるけども、手抜き料理としてはそこまでしなくても十分。
米を洗って、ごま油をまぶす。これが第一段階。

スープをつくる

次に米を炊くスープをつくろう。乾物類がある場合は、前日から水に1晩漬け込むといい。1晩漬け込むと水にダシが出るし、その乾物自体も巨大化して、おいしそうな感じになる。夜つくる場合は朝に漬け、朝・昼につくる場合は夜寝る前に漬けるとよいのでは。
そして鍋に水を張る。水の量は米の10倍が目安。乾物を戻した水があるなら、もちろんそれも使おう。また乾物はそのままスープ内に突っ込んでおいてもかまわない。加熱する過程でさらにダシが出る。そいつもいただこう。
次に加熱しつつスープのもとをぶち込む。色々ブレンドしても構わない。とにかくぶち込む。味をつける。そして味見。目指すところは「この時点でスープとしてうまいこと」だ。いつも書いているように料理はシンプル。「うまいものをうまい塩で焼けばうまい」ように「うまいものをうまいスープで炊けばうまい」になる。この時点でうまいからこそ、完成した時点でもうまい。なわけで、この味見だけは真剣に、真面目にやろう。

米を炊く

スープの味はどう? スープは沸騰してるか? それが完了したなら次に移ろう。
まずはスープ内の乾物を取り出す。そして入れ替わりに最初にごま油をまぶしておいた米を入れよう。そして火は弱火に。そしてフタをする。あとは放置。ほっとく。あとは時間の問題。そのうちできる。あとはやることなし。
注意点は吹きこぼれと鍋底の焦げ付き。これがないような火加減に調節したい。やばそうならフタもしなくていい。とにかく弱火でじっくりと。
時間としては2時間放置。そのくらい弱火で炊けばお粥になる。気長にテレビでも見るべし。

さあ、完成だ

2時間待ったか? じゃフタを開けてみよう。……どうだ、うまそうじゃないか? 米が砕けて、トロットロッなら完璧だ。この仕上がりを覚えておけよ。で、これより粒がきちんとあった方がいいなら炊く時間を30分程度短くすればいいし、逆にもっとクリーミィな感じがいいならプラス1時間だ。ま、2時間でも十分な感じになると思うけどな。このあたりは好みで。
あと、できたお粥はあまりかき混ぜないこと。あんまりかき混ぜると、単なるノリになる。米はでんぷんなのでねえ。優しく扱おう。
さて仕上げだ。お粥を炊く前に取り出した具はあるか? 具を切っておこう。団子系がある人はお粥にぶち込んでしばらく加熱だ。中に火が通るまで放置。加熱が必要な肉などの具も同様に。
そしてお椀によそろう。魚の刺身がある人は、お椀の底に刺身を並べておく。その上に、出来立ての熱々のお粥をかけよう。身が白くなり、いい感じになるはずだ。
あとは団子やら、乾物やら、香菜やら、トマトやら、味玉やらの具・トッピングを盛り付ける。仕上げにごま油を小さじでちょっとまわしがける。これで完成だ。召し上がれ。
ここまで読んでもらえればわかる通り、特殊な技術や調理道具は必要ない。スープの味さえ決まれば、放置するだけだ。スープうまけりゃ粥までうまいということ。非常に簡単だ。
スープの味付けとか、ごま油の使い方とか、具とかトッピングで味は如何様にも変化する。それぞれ自分好みの中華粥を見つけてくださいな。
レッツ中華粥ライフ!