クーラー死す

基本的にタケルンバは「要冷蔵」である。適温は5度〜8度と観測され、25度を超えると、表面が溶け出す仕組みになっておる。そんなタケルンバにとり、此度のクーラー故障は一大事である。大事件である。
そもそもクーラーのない生活なんて考えられない。夏場は常時稼動。いつなんどきもフルパワー運転。早い年は4月から稼動。遅い年は10月まで稼動。昼夜は問わず、意識の有る無しも問わず。睡眠時に汗をかくのが大嫌いなので、夜も当然フル稼働。やや肌寒い状態で、毛布をガッツリかぶって寝るのが好きなのである。夏場はこれに限る。
しかしだ。昨日、突如としてクーラーの性能が落ちた。冷気の出が悪くなった。風が出る口の半分が死んどる。いつも通りの18度設定＆強風であるのに、ちっとも強風ではない。
そのうちに温度も上がってきた。18度設定であるのに暑い。暑いのである。そこで本日修理を頼むことにした。ダメな以上は手をかけねばならぬ。致し方あるまい。
ところがだ。今度は修理屋が捕まらない。捕まったとしてもこうだ。

「今、忙しいんですよ。最速でも連休明け、21日になりますね」

なんと！　この「クーラー大好き小池さん」ことタケルンバに約1週間も我慢せよと言うのか！　これは我慢ならん！　仕方なくビックカメラに赴いた。直せなければ買うまでだ！
しかしビックカメラのエアコンコーナーで愕然とする。こんな表示があった。

取り付け工事は最速で23日です

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……悩んだ末、でも結局買うことにする。21日まで修理を待って、そこからパーツやらなんやら待ちがあったら、それこそ今度はオレの生死にかかわる（大げさだ）。まして我が家のエアコンは「TEKNOS」という耳慣れないメーカーのものだ。恐らく修理屋にパーツの手持ちなどあるまい。メーカーに頼んで1週間待ちとかなったら、最速28日とかになる。煮える。それではオレが煮えてしまう。勢いがあるうちに買うことにした。

「取り付けは最速で24日ですね」

……な、なんと！　さらに1日追加でござるか。オレは8日間もクーラーなし生活を送らねばならんのか！
……まあ良い。買う。仕方あるまい。他に手もあるまい。クーラーを購入して帰宅。帰宅したら案の定我が家は蒸し焼き状態になっておるので、とりあえずクーラーを稼動させる。パワー弱まりしといえどクーラーはクーラー。多少は我が体を冷やしてくれるはずだ。

ガコッ！　バルバルバルッ！　ベボーッ……。

死んだ。完全に死んだ。ま、こうなっては修理を待たなくて良かったな。ナイス判断。寿命だったのだ。ヤツは天に帰ったのだ。新クーラーを買ってきた途端に壊れる。ヤツは責任を果たした。麗しきクーラー魂ではないか。
とはいえ、新クーラーが来るまで持ってて欲しかったのは山々山くらいなのだが。仕方ないので24日までは昼間出歩くことにする。各地の冷気を求めて外に出るという「インドアになるためのアクティブ生活」を敢行。「書を捨て街へ出よ」という暑がりな寺山修司を敢行することにする。なんか間違えている気もするが、そこは大目に見ておけ。
明日は早速出かける予定。家になんておれるか！