「男子三日会わざれば刮目して見よ」という言葉がありますが、夏休みともなると1ヶ月以上。久々に会って「お前変わったなあ」というケースはよくあることです。
但し、良い方向に変わるとは限りません。悪い方向に変わることもあります。特に大学生の場合、気がつくと悪徳商法に手を出し、妙なことになっている場合があります。今回はそういうのに巻き込まれている人、あるいは巻き込もうとする人を見抜くための発言をまとめてみたいとおもいます。
「いらなければ、あとでクーリング・オフできますから」
迷った人に決断を迫るときによくある発言。気弱な人だとここでサインをしてしまうことが多いが、モノによってはクーリング・オフできないケースがあり、そのケースに巻き込んでの合わせ技として使われる。
いらないならサインしない方がいいことは言うまでもない。
「詳しくはお店の方で」
よくある合わせ技。店舗内での契約の場合、クーリング・オフできないことが多いので、注意が必要。「冷たいものでも飲んで」「外は暑いんで、クーラーの効いてる涼しいところで」みたいなシリーズもアリ。店舗に連れてこう連れてこうという動きを見せたら要注意。
これは国民生活センターのクーリング・オフ制度についての説明なんだけど、「店舗外での」という一文があるところに注意して欲しい。つまり「店舗内」であればクーリング・オフは効かないということ。「特定商取引に関する法律」などで規定されている。
具体的には「訪問販売」「クレジット契約」「宅地建物取引」「海外商品先物取引」「生命・損害保険契約」など。
で、何故これらの店舗での契約にはクーリング・オフが効かないかというと、一言で言えば「わざわざ買いにいったんでしょ」とみなされるから。「買う気があってお店まで行ったんでしょ」「買う気があって、しかも実際に買おうと思ったからサインしたんでしょ」「その気になれば店には行かないし、サインもしないでしょ」「そこで今更キャンセルって太くね?」という流れ。
クーリング・オフは家まで押し売りされて困っている弱気でシャイなあんちくしょうを想定しとりますので、店まで行っちゃうアクティブなアニキを想定しとりません。保護の対象にならないのですな。たとえ渋々店まで着いていったとしても。
なので、買うつもりがないのならお店にホイホイ着いて行かないこと。これ、結構重要です。
(※店舗内契約でもクーリング・オフできるケースもありますので、「騙された」と思ったらお近くの消費者センターとかにご相談することをオススメします)
「人生3分の1は布団の中」
高級布団を売るときによく使われる。1日24時間。8時間睡眠なら1日の3分の1が布団の中であるという趣旨の発言なんだけど、人生の3分の2は布団の外。人生の3分の2をどうにかしてまで3分の1が重要なのか、その費用対効果はよく考えるべき。
「オレ、最近寝てないんだ」
騙されかけている人、よくある風景。判断能力を鈍らせるためにセミナー漬けにするケースがある。夜中のファミレスとか、マックとかでやたら「上の人」に会わされる。話聞かされる。で、あんまり寝てないので次第にもの凄くいいこと言ってる気がする。もっと話を聞きたいと思うようになる。仲間になった方がいいような気がする。ハマる一歩手前。
ちなみに、本当にいい人は寝不足になるほどあちこち連れ回したりしません。冷静になれ、まずここを。
「お金がないなら、借りるところを紹介するよ」
サラ金だったりする。あるいはどっかグルのところだったりする。お金を借りさせてまでモノを買わせようとする連中がいい人なわけないのにね。疲れてくるといい人に見えるらしい。セミナー漬けの怖いところ。一緒にいる。構ってくれる。面倒見てくれることで大事な人に見えてくるんだな。あー怖っ。
「キミにだけ言うんだけど」
同じことを会う人会う人に言っている。
「他の人にはナイショだよ」
後ろめたい意識があるんですね、わかります。
「これは合法なんだ」
合法かもしれないんだけど、いろいろ問題があるから「特定商取引に関する法律」なんてのがあるわけで。特に「連鎖販売取引」なんてのは、それだけで1章さかれているわけでねえ。暗部も大きいと思わないと。
ま、「合法だ」といちいち言わなくちゃいけないという時点で怪しいんだがな。
「オレは大丈夫だから」
選民思想。本当に大丈夫だったことはほとんどありません。
悪徳商法に対してはいくつか誤解があって、弱気な人、臆病な人、内気な人がハマりやすいと思われているんだけど、実は逆。自分にちょっと自信があるようなタイプが一番ハマる。「オレなら大丈夫」「オレは騙されない」と思っているヤツほど騙される。
「すぐ上に行けるから」
自信があるヤツのヤバイ合わせ技。「オレならすぐ上に行けて投資金を回収できる」というオメデタイ思い込み。世の中そんなに甘くないし、キミにはそこまで能力はない。
こういうヤツには冷や水を浴びせるのが一番。
- 「上の人の下には何人いるの?」
- 「20人」
- 「へー、20人。凄いね。20人に1人か。……キミ、日本の上位5%に入る能力だと思う?」
- 「いや、そこまでの力ないよ。真ん中よりいいとこちょい上じゃない?」
- 「じゃ、キミは上にいけないね。だって20人に1人しか上にならないんでしょ? 確率5%程度じゃん」
- orz
冷静になればすぐわかるんだけどな。
「高いけど、これを買うことで幸せの扉が開かれるんだよ」
いわゆるマルチ系でありがちな発言。最初に買わされる布団とか浄水器が異様に高いのをごまかす用。
布団とかだとウン十万する。で、そのうちのウン%が戻るようになる。位が上がれば、それがウン10%になる。だから最初だけだよ、後で回収できるよという構図なのだけど、そんな高い布団を買うヤツは少ないし、本当に位が上がる保証なんてない。
もし、その布団を売って幸せになりたいんなら、ドン・キホーテでウン万円の布団を買ってきて、それにウン千円の手数料をのっけて売ったほうがよっぽどみんな幸せになる。あるいは布団屋になるべきだ。
こんな言葉を見たり聞いたりしたらご注意を。
追記(2008/08/07 2:40)
悪徳商法で販売される商品を具体的にまとめた素晴らしい記事のトラックバックをいただきました。
これはいいまとめ。ひとり暮らしの方は、特に次の4つには気をつけて欲しい。
- 布団
- 浄水器
- 化粧品
- 水
個人的に「悪徳商法四天王」と呼んでおります。こういう一般的なものは騙されるケースが多いので要注意。
あと役所とか町内会を装う輩は全員DQNと思って良し。奴らは「ドアを開けさせたら勝ち」と思っているから、どんな手でも使うからね。「町内から来ました」って言うのが最近の新聞拡張団の常套句だったりするし。町内のナニモノかを確認してからドアは開けること。特に女性は気をつけて。