(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

勝てば官軍、負ければ賊軍

野球。orz

ま、予想していたことではあったわけですが。

杞憂に終わればいいとは思っていたのですがね。残念です。とはいえ、選手・関係者にはお疲れ様でしたと言いたい。シーズン中に金にもならないオリンピック出場。頭が下がります。お疲れ様でした。
ただ、心を鬼にしてこれだけは言っておかねばなりませぬ。

すべての責任は監督にある

悪いのは星野。以上。それが監督という仕事であり立場。まして今回のように全権が与えられ、チーム編成も思うがままであった以上は言い訳しようがないでしょ。トップの責任は結果責任。過程責任は部下の領域。上司は結果が問われる。指示を出される側は、指示に対する遂行度で評価されるけど、指示を出す側はその指示を出したことを含めての結果で評価がくだされる。会社でもなんでもそうだよ。上に行けば行くほど結果責任。数字。
もちろんそれは酷なことで、「殺す気か」って星野自身もカナダ戦後に言ったように、苛烈なプレッシャーを与える行為なんだけど、それでもなお監督というのはそういう立場。監督がその業を背負うことで監督以外が救われる面がありますからな。特に選手。選手のために、部下のためにも上司は責任を取る立場。オレの考えるトップの責任、マネージャーの責任ってそういうもの。「星野が」「野球が」という話じゃない。組織論として、リーダー論としてそういうものだと思うんだよね。

勝てば官軍

残念ながら監督の仕事にはこういうところがありまして。結果が出ている限り、あらゆることが正当化されるし美化される。結果良ければすべて良しという側面がありまして。思いつきだろうが、綿密な準備があろうが、成功すれば賞賛されるし、失敗すれば非難される。
台湾での予選。サブローのスクイズが話題になったけど、あれだって勝ったから名采配となったわけで、失敗して負けてればフルボッコだったはず。実際、塁が埋まっているケースでスクイズは本当はない。ダブルプレーのリスクがあるので、良い作戦とは言えない。とはいえ、成功した以上は良い作戦だ。「裏をかいた」と言える。「リスクがあるから、やらないだろうと思ってたはず。その裏を突いた」と言える。
トップの仕事ってこういうところがありますのでね。監督なんてそんなもんよ。

負ければ賊軍

一方でこういうことなのです。負ければ賊軍。あらゆることは勝っているうちは認められる。しかし負けた途端、すべてが非難の対象になるのですよ。すべてが負けの原因となる。ひとつひとつのプレー。選手の人格。何気ない一言。
こういうときこそ監督はジタバタしないで責任をとる。選手を守り、ひとり責任を集める。それが監督の立場だし、監督としての最後の仕事。ダメージコントロールをして役職から去る。その美しき去り際も監督の仕事だし、優れた監督としての条件だと思うのですな。負けた以上は美しく去れ。すべての非難を自分に集めて、選手を守って去っていただきたい。

「ある意味、選手がかわいそうだった。野球そのも*1が不思議でしょうがない。最初のゲーム(キューバ戦)で恐々しているというか、(ストライク)ゾーンがまったく他の世界でやっているというのか、それでおかしくなった」

星野日本4位「申し訳ない」/野球 - 北京オリンピック 野球 : nikkansports.com

こういう言い訳は良くない。条件は各チーム一緒。ストライクゾーンが国際大会では異なることは常識。そういうことは事前にわかっていたわけで、そういう対策をとらなかった自分たちに問題がある。人のせいにしてはいけない。審判のせいにしてはいけない。環境のせいにしてはいけない。
「悪いのは自分だ。選手は悪くない」
こう言って欲しい。誰かをクサすことなく、自分を盾としていただきたい。勝者を勝者として称え、野球という競技が素晴らしいものであることを強調し、敗者となった選手の尊厳を守ることにもなると思う。
これから数時間、数日の星野の発言で彼が良きリーダーであるか、悪しきリーダーであるかが見て取れると思う。イメージ通り清々しく責任を一身に集め、「男・星野」を最後に見せて欲しいもんだがなあ。