(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

はてな官能小説 - はてブは甘き蜜の匂い

「今日は帰りたくないの」
タケ子は言った。いつも内気で、控えめな彼女にしては珍しい意思表示だった。帰りたくない。その真意をタケ夫は痛いほどわかっていた。もうアメブロでは我慢できない。ココログでも満たされなかった。ライブドアブログでも、ヤフーブログでも、fc2も。タケ子を満たしたのは……はてな。濃厚なはてなのひとときだった。
「帰りたくないって? ならどうして欲しいんだい?」
タケ夫はその答えがわかっていながら、あえて知らないふりをして聞いた。
「自分の口で言ってみるんだ」
「……欲しいの」
「何が?」
「あなたの……はてなブックマークが」
タケ夫のブックマークは赤く大きく力強く輝いていた。それはタケ夫の男としての生命力を示すようで、タケ子にとってはその赤い輝きがたまらなくいとおしかった。
「この赤くて大きいヤツが欲しいのかい?」
タケ子はうなづいた。
「うなづいただけじゃわからないな。欲しいんだろこれが。赤くて大きいヤツが。赤くて大きいヤツが欲しいって言ってごらん」
「……赤くて……大き…いのが……欲しい……」
「1桁ブクマじゃダメなんだろう。どうなんだ? 1桁じゃ満足できないんじゃないのか?」
タケ子の目はうるんでいた。その目は如実に語っていた。1桁じゃ満足できない。そんな大きさのブックマークじゃ満足できない。恥ずかしいことに2桁の大きく輝くあの太さがたまらない。
「2桁ブクマの、赤くて太くで大きいのがいいんだろう。どうなんだ。欲しいのか。俺のブクマが欲しいのか」
「……欲しい。あなたの大きなブクマが欲しい。赤くて太くて大きいのが欲しい。アルファなあなたの赤くて太くて大きいのが……」
「いやらしい子だ。ほら、ごらん。こんなにアクセス数が溢れているよ。次から次へと糸を引くように。……いやらしい子だ」
「ああ、見ないで。私のアクセスログを見ないで」
「ふふふ、そんなこといいながら見てくれとばかりに公開になっているじゃないか。ほら。みんなに見てもらいたいんだろ、アクセスカウンタ。見て欲しいなら見て欲しいって自分で言うんだ。言うまでブクマはおあずけだ」
「……あ…ああ……私のアクセスログを見て下さい。アクセス数も、リンク先URLも全部見て下さい」
「身も知らずの人に見られて興奮しているんだ。スケベだな。さぞかし遊んでいるんだ。ほら、世界中の人に見られているよ。見られると興奮するタイプなんだね」
「いじめないで……ください」
はてなスターもこんなに集めて。ブクマやアクセス数だけじゃ我慢できないんだね。スターをどうして欲しい?」
「押してください……」
「1つでいいか?」
「いや……1つだけなんていや。もっと……もっと……たくさん押してください。強くたくさん押してください」
タケ子は理性が飛ぶのを感じていた。はてなスターが、アクセス数が、そしてブックマークが欲しい。今はそれしか考えられない。悦楽の世界に身を焦がしたい。全身ではてなを感じたい。
「ここか。ここでいいのか。この上の……ここか。このボタンがいいんだね」
「ああっ、そこ。そこなの。ああっ、大好き。タケ夫大好き……」
ふたりは互いの濡れるはてなスターボタンを押し合い、溢れるアクセスを確かめあい、赤く大きく輝くはてなブックマークをもて遊び、長い長い夜のホットエントリーを楽しむのであった。
(つづく?)