売り手市場って素晴らしい
就職が決まったので感謝のごあいさつをと、実に殊勝なこと後輩が言うので飲みに行く。どこに決まったのかと聞くと「銀行です」とのこと。「スーパートレーダーになります」という実に現実的な目標を立てており、苦笑を禁じ得ないわけだが、そこは若人の夢である。「そうか」と言いつつ天空を見上げ、ひとつ質問を投げかけてやった。
- 最近、長期国債が値上がりしてるけど、利回りはどうなってる?
この質問、大体みんな引っかかる。案の定、我が後輩も引っかかる。
- そりゃ利回りも上がりますよ。値上がりしてますから。
ブッブー、大外れ。値上がりすると、利回りは悪くなるんだよねえ。こんなこともわからんで、君は銀行に入るのか。大丈夫なのか、みずほ銀行。固有名詞を出すなよ。
で、先ほどの問題の説明ですが、こういう話。100万円で売っている債券があります。これは1年後に105万円になります。この場合、1年で5万円増えます。元本100万円で5万円増えるから、利回りは5%。まずこれが基本ね。
- (利息)5万円 ÷ (元本)100万円 = (利回り)5%
さて、この債権が値上がりしました。101万円です。さて1年後の利回りはいくらでしょう。実は1%も下がります。3.96%です。
- (利息)4万円 ÷ (元本)101万円 = (利回り)3.96%
逆の値下がりパターンを見てみましょうか。99万円になった場合だと6.06%になります。
- (利息)6万円 ÷ (元本)99万円 = (利回り)6.06%
債券の価格は上下しても、1年後にもらえる金額は同じというところがポイント。価格と利回りは逆の動きなんですね。
- 債券価格↑=利回り↓ 利回り↑=債券価格↓
こういうこと。安く買えば安く買うほど利益が増えるし、高く買えば高く買うほど利益は減るのですよ。こういう単純な原則。
「モーニングサテライト」なんかで「長期債の利回り悪化」と言われたら「今は買われていて高いんだな」と思うと吉。わかったか、永田(実名)。こういうことだぞ。今度また質問するから、次までに覚えておけ。ちなみに社内のアホが増えると、会社の利回りが下がります。
- アホ↑=利回り↓ 利回り↑=アホ↓
大丈夫か、みずほ(だから実名出すなって)。