日本人が野蛮人になる瞬間 - （旧姓）タケルンバ卿日記避難所

あちこちの国へ行ってみても、日本人の整然とした立ち振る舞いとかはいいなあと思うわけですよ。秩序立っている感じとか。ただ、どうにもこうにも劣っている分野がある。世界のどこよりも劣悪。ひどい。そしてそのひどさにあまり気付いていない。
それは電車における乗車マナー。この分野は世界屈指のひどさと言っても過言でもない。混んでいる電車に肩タックルで無理矢理入ってくる感じとか、ケツからグイグイ入ってくる感じとか、駆け込み乗車とか。こういうのを海外で経験したことがない。何かと香ばしい話題でおなじみの中国でも、ここまではひどくない。
何と言いますか、日本人は短気なんですかねえ。マジメなんですかねえ。とにかく何が何でも乗り込んでくるのですよ。「その電車に乗り遅れると死んでしまう」くらいの勢いで乗り込んでくる。１本待つことができない人種。通勤時間なんかは次から次へと電車が来るわけだから、１本待つくらい大したことねえことが多いのだけど、それでも命がけで乗り込む。
そして問題はオヤジの肩タックルですよ。

（過去記事）オヤヂの肩タックル

相手を選ばず肩タックルと言いますかね。ありゃ何とかならんかね。乗りたい気持ちはわかるけど、いたいけな女の子を押しのけてまで乗りたいかねえ。
で、海外で思うのは、ここまでのことはないのですよ。特に先月行った香港で感心したのは、ラッシュ時なんかに混んでいると、無理に乗らんのです。ある程度で電車待ち行列の前進が止まる。「これ以上は混んでいるから次ね」と、特に決め事も会話も目配せも何も無く、自然とそうなる。無理をしなきゃ乗れないくらいなら乗らないという合意ができてるんですな。
大体ホームに押し込み要員がいるってのも凄いよね。誰かが外から押し込まなければいけないほどギュウギュウに乗る。当然中は最悪なことになっている。ま、それでも朝は仕方ねえですよ。通勤路線の場合、終点に近ければ近いほど混雑はひどくなるわけで。小田急線なんかその典型だけど、沿線の住宅地から新宿目指して乗り込んでくる。ほとんどの客は新宿まで乗りっぱなしになるわけで、新宿に近ければ混む。しかも大体似た時間に。これは仕方ない。そういうもんだ。でもそれにしても増発とかで対応する方法はあるし、特に帰りに関しては一考の余地があると思うのね。１本遅らせてもそれほどのデメリットはないはずだから。しかも少しずつ客は降りていくわけで、待っても待っても乗れないケースなんてないはずだし。混んでたら１本待つようにすれば、みんな気持ちよく帰れると思うんだよなあ。
しかしみんな急いで帰りたい。急いで帰りたいから、ギュウギュウに混んでいても肩タックルで、ケツでグイグイ入っていこうとするし、駆け込み乗車でギリ間に合わせようとする。その結果、みんな苦しい思いをする。車内環境は劣悪になるし、乗車・下車に時間をとられればダイヤが乱れる。あんまりいいことないよねえ。
こういうのって日本人には日常の風景で、ごくごく普通な光景なんだけど、こういうのが無い土地に行くと奇異に感じるわけですよ。マナーのいいはずの日本人が、世界のどこよりも野蛮人になる瞬間と言いますかね。ラッシュにかこつけたワガママ・ごり押し・オレがオレが。乗車マナーにご注意下さい。
（追記）2008/02/28 3:30
ま、こういう国もあるけどね。インド。