見下ろす交渉術には以外な副産物があるんですよ。
よく言われることなのかも知れないが、意見を広める・賛同者を獲得しようとする際の手法には、凄く大雑把にいって
見下さない交渉術と、見下す交渉術。: 不倒城
・持ち上げる・フォローすることによって賛同者を獲得する
・見下す・こき下ろすことによって賛同者を獲得する
という二つの方向性がある、と思う。
こういう意見がある人への関与の他に、その人の格に関わる部分があって。
不思議な事に「偉そうに振る舞うことで、偉くなる」のです。人を見下ろすと、見上げる人が出てくる。それは錯覚であり、誤解であり、その人が発する意見の正しさを担保するものではないのだけれど、人を見下ろすと見上げる人が出てきて、その見上げる視線の結果、「あれ? この人が言ってることも正しいんじゃないか?」ということになる。
とはいえこれは洗脳の一種。思い込みによる自己洗脳。偉そうに高説垂れる人の高飛車な態度に自らの心を空っぽにし、考えを受け入れ、染まっているだけ。
自分の意見を広めたい場合、本来は「同意」を求めるが、意図的に意見を受け入れさせようとする場合、同意を求めない。ここに注意が必要。同意を求めない交渉術には詐欺的な側面があると考えてもいいくらい。
意図的に人を見下ろす人は、詐欺師的テクニックの使い手とも言えるので注意が必要。自己洗脳にかからないように、日頃から人を見下ろす人間を見たら「人を見下ろすには何か理由がある」と考えると吉。この考える一呼吸があなたをちょっとだけ冷静にする。このひとときの冷静さがあなたを洗脳から守る。
見下ろす人間を見上げる必要があるかどうか。
立ち止まってちょっと考えてみよう。思い込みでどんどん相手の価値を高めてしまう前に。